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ブラジルでスタジアム内の暴力対策で新作戦。敵対チームのサポーター同士が同じエリアで観戦する「トルシーダ・ミスタ」を実施

グレミオのサポーター

リオ・グランデ・ド・スル州ポルト・アレグレ(アレグリ)で3月1日午後6時半に行われる、リオ・グランデ・ド・スル州選手権(通称”カンペオナート・ガウーショ”)のインテル・ナシオナル対グレミオ(通称グレ・ナル)戦で、両チームのファンが同じエリアの席に座る「トルシーダ・ミスタ」(ミックスされたファン)が採用され、話題を集めている。

同じ都市を本拠地にするチーム同士の対戦は、ファン同士が激しいライバル心を燃やすことで有名だが、この座席割りは近年暴力事件の耐えないブラジルサッカー界において、模範的スポーツ精神を見せるために採用された。

有名な文筆家でインテルファンのルイス・フェルナンド・ヴェリッシモ氏は、「いい考えだし、ブラジル人の文化レベルを見せるチャンスだ。グレミオのファンの中でも特に熱烈なファンと連れ立って行きたいね。英国、イタリアなどの文明国のサッカー場でも同じような暴力問題を抱えているから、ブラジルだけの問題と言うわけでもないけれど」と語った。

このアイデアは、カルロス・ミゲル(ミゲウ)・アイダール・サンパウロFC会長も刺激した。

「4月22日に予定されているサンパウロFC対コリンチャンス戦でも”トルシーダ・ミスタ”ゾーンを作りたい。両チームのファンが肩を並べて観戦するようなシーンが見たいものだ」と語った。

スタジアムでの暴力事件の耐えないブラジルでは、アウェイのファンをスタジアムから締め出して、ホームチームのファンだけで試合を行う”トルシーダ・ウニカ”という全く逆志向の方策も検討され始めている。隣国アルゼンチンでは数年前からアウェイのファンは入場禁止だ。

スタジアムを2色に分けた美しい応援合戦の文化が残るのか、片方のファンが不在の味気ないスタジアムになっていくのか。ブラジルサッカー文化は分岐点に立っていると言える(25日付フォーリャ紙、24日付電子版「グローボ・エスポルチ」より)。

(記事提供/ニッケイ新聞、写真/Lucas Uebel/Grêmio FBPA)
写真はグレミオのサポーター

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