「ミシュランガイド」初のブラジル版が発売に。和食店も星を獲得

2015年 03月 24日

d.o.m.

フランスの大手タイヤメーカー「ミシュラン」が1900年より発表し続けている「ミシュランガイド」。世界中の最高のレストランを選出、それらを1から3つの星に分類し評価する人気のガイドブックに、今年はブラジル版が加わる。

ミシュランの公式サイトは、4月の発売を前に、星を授与したブラジルのレストランのリストを金曜日(3月20日)に発表したと、現地メディア「エポカ」が報じた。

ミシュランガイドの星は、(1)素材の質、(2)調理技術の高さと味付けの完成度、(3)独創性、(4)コストパフォーマンス、(5)常に安定した料理全体の一貫性、という5つのポイントについて評価されるという。これは世界23ヶ国すべてに同じ基準が適用される。

評価は料理のカテゴリーやお店の雰囲気ではなく、あくまで皿の上に盛られたもの、つまり料理そのものに対して行われるそうだ。日本ミシュランウェブサイトによると、星は各国に散らばる調査員全員で合議を行い、そこで了承されて初めて付与されるという。

そして、その星の意味するところとは、3つ星・・・そのために旅行する価値がある卓越した料理/2つ星・・・遠回りしてでも訪れる価値がある素晴らしい料理/1つ星・・・そのカテゴリーで特に美味しい料理、とのこと。

本ガイドでは、ブラジル国内から17軒の店が選出されている。そのうち6軒がリオデジャネイロ、11軒がサンパウロにあるという。

サンパウロで星を得た11軒中4軒は、有名店の「ジュン・サカモト」や「木下」、「Kosushi」、「Huto(フトー)」といった和食店だった。

残念ながら、最高スコアの3つ星を獲得できた店は無く、アレックス・アタラがシェフを務めるサンパウロのレストラン「D.O.M(ドン)」だけが、17軒の中で唯一2つ星を獲得した。

国ごとに比較すると、最高得点の3つ星を獲得したレストランは、フランスは20軒以上、スペインは10軒以上、美食において特別に名高いわけではないイギリスでさえも4軒あると、「エポカ」は報じている。

ミシュランがサンパウロとリオのレストランのみを評価していることは、考慮に入れるべきだとも記事は述べている。

またミシュランガイドには、星を獲得した店以外にも、2014年版からスタートした新たなカテゴリ ”ビブグルマン(星は付かないまでも、高いコストパフォーマンスを提供するレストラン)” に分類された店がリストアップされているという。

とはいえ、ブラジル版ミシュランガイドの発売により、ブラジルの食はこれまで以上に世界中から注目されることになりそうだ。ブラジルグルメ界が盛り上がり、どんどん美味しいレストランが誕生することを期待したい。

ブラジル版ミシュランガイドに選出されたレストランはこちら(カッコ内はオーナーシェフの名前)。

サンパウロ
<2つ星>
「D.O.M.(ドン)」(アレックス・アタラ)

<1つ星>
「Attimo(アッチモ)」(ジェフェルソン・フエダ)
「Epice(エピッシ)」(アウベルト・ラングラフィ)
「Tuju(トゥジュ)」(イヴァン・ハウストン)
「Maní(マニー)」(エレーナ・ヒーゾ、ダニエウ・ヘドンド)
「Fasano(ファザーノ)」(ルカ・ゴザーニ)
「Huto(フトー)」(ファビオ・ホンダ)
「Jun Sakamoto(ジュン・サカモト)」(ジュン・サカモト)
「Dalva e Dito(ダウヴァ・イ・ジット)」(アレックス・アタラ、ルイス・グスターヴォ・ガウヴァォン)
「Kinoshita(キノシタ)」(ツヨシ・ムラカミ)
「Kosushi(コウスシ)」(ジョルジ・コーショジ)

<ビブグルマン>
「Mocotó(モコトー)」
「Esquina Mocotó(エスキーナ・モコトー)」
「L’Entrecôte de Paris(レントリコチ・ジ・パリス)」
「Tian(チアン)」
「Brasserie Victória(ブラッセリエ・ヴィトーリア)」
「Sal Gastronomia(サウ・ガストロノミア)」
「Antonietta Empório(アントニエッタ・エンポリオ)」
「Jiquitaia(ジキタイア)」
「Mimo(ミモ)」
「Ecully(エクリー)」
「Zena Caffè(ゼナ・カフェー)」
「Miya(ミヤ)」
「Tartar & Co(タルタル&Co)」
「Arturito(アルトゥリット)」
「Casa Santo Antônio(カーザ・サント・アントニオ)」
「Marcel(マルセウ)」
「La Cocotte(ラ・ココット)」

リオデジャネイロ
<1つ星>
「Oro(オーロ)」 (フェリッピ・ブロンジ)
「Le Pré Catelan(ル・プリ・カテラン)」(ロラン・ヴィラール)
「Roberta Sudbrack(ホベルタ・スジブラッキ)」(ホベルタ・スジブラッキ)
「Olympe(オリンピ)」(クラウジ・トロイスグロス、トーマス・トロイスグロス)
「Mee(ミー)」(ハファエウ・ヒダカ)
「Lasai(ラザイ)」(ハファエウ・コスタ・イ・シウヴァ)

<ビブグルマン>
「Lima Restobar(リマ・ヘストバール)」
「Miam Miam(ミアンミアン)」
「Entretapas(エントリタパス)」
「Oui Oui(ウィウィ)」
「Restô(ヘスト)」
「Artigiano(アルチジアーノ)」
「Pomodorino(ポモドリーノ)」
「Cais(カイス)」

(文/柳田あや、写真/Divulgação)
写真は2つ星を獲得した「D.O.M.(ドン)」のシェフ、アレックス・アタラ