ブラジルのスーパーでは会計前に商品を飲み食いしてもOK!?

2015年 09月 21日

スーパーの流儀

スーパーマーケットでレジに並んでいる時、前に並んでいた人が、商品のジュースを精算が終わる前にゴクゴクと飲み干してしまいました。また、店内でポテト・チップスをボリボリ食べている子どもを見かけたこともあります。

一緒に居たブラジル人に「会計前に食べてもいいの?」と聞くと、彼は笑いながら「空いた容器をレジに持っていけば何も問題はないよ」と教えてくれました。

ふーん、そういうものか。レジの精算が終わるまで待てないのか、と思ってしまいますが特に子供が居る場合には店側も容認しているようです。

先日、レジ前で順番待ちをしてボーっとしていた時、レジ前の商品陳列棚に飲み干したコカコーラの空き容器を発見しました。これはたぶん、お金を払う前に飲み干して、お金を払わずに行ってしまったのではないかと思います。

普通の万引きだったら、犯人がお店を出た瞬間に私服警官が出てきて「ちょっと君、かばんの中身を出したまえ」と言えば済みますが、「ちょっと君、胃の中のものを出したまえ」とは言えないので、店側も困るのではないかと思います。

ブラジルのスーパーといえば、冷凍食品の品質管理でも気になることがありました。

冷凍食品のフリーザーでふたを左右に動かして開閉する仕組みになっているものがあります。ブラジル人の客の中には、このふたを開けて中身を取り出したら、閉めないで行ってしまう人が居ます。店の従業員もそばを通った時に閉めようとしません。

個人的にはふたが開けっ放しになっているのが気持ち悪いので、他人が開けたふたを片っ端から閉めたくなってしまいます。

先日、クッキーのコーナーに冷凍の鶏肉が置いてあるのを見ました。おそらく、鶏肉を買おうとしたけど途中で気が変わった顧客が、元に戻さなかったのだと思います。もっとひどい(?)ケースだと、ロックアイスの袋をレジ前の雑誌のラックに放置する無法者を見たことがあります。

対応する店側もしたたかです。常温で放置されていた冷凍食品を何事もなかったように、冷凍フリーザーに戻すことがあるそうです。知り合いのブラジル人は、冷凍食品を買って家で開封したら妙な臭いがしたので、返品したと言っていました。

夜中に冷凍設備の電源を切って、翌日の朝に電源を入れることで電気代を節約していたスーパーが相次いで摘発されたというニュースもたまに見かけます。

これらの衝撃的な事実を知ってからは、冷凍食品を買うときは高所得者層をターゲットにしたスーパーで買うようにしています…。

(写真・文/唐木真吾)

著者紹介

唐木真吾 Shingo Karaki

唐木真吾 Shingo Karaki
1982年長野県生まれ。東京在住。2005年に早稲田大学商学部を卒業後、監査法人に就職。2012年に食品会社に転職し、ブラジルに5年8カ月間駐在。2018年2月に日本へ帰国。ブログ「ブラジル余話(http://tabatashingo.com/top/)」では、日本人の少ないブラジル北東部のさらに内陸部(ペルナンブーコ州ペトロリーナ)から見たブラジルを紹介している。
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