他人の家で100%くつろぐブラジル人、影でグチを言う日本人

2016年 01月 28日

くつろぐブラジル人

ブラジル人の家にお邪魔すると必ずといっていいほど「自分の家にいるようにくつろいでいいからね」と言われます。ここで言う「くつろいでいい」というのは、ブラジルの場合、言葉通りに理解して良いようです。

ブラジル人は、本当にくつろぎます。

以前、自宅に友人を呼んだ時、友人は主人が勧めもしないのに、ソファにどかっと腰を下ろしてくつろぎ始めました。

彼は、「のどが渇いたから」と言って水を所望してきました。また、友人を呼んだホストであるぼくが、台所でお茶を用意したり、食事の用意したりと忙しくしている間、友人はソファで雑誌やテレビを見てくつろいでいました。

「こいつ、本当にくつろいでるよなあ」と思ったものです。

彼が特別というわけではなく、ブラジル人は一般的に他人の家でもくつろぐのが得意なようです。

ただし、ブラジル人がくつろいで手伝ってくれないからといって、別に腹が立ったりはしません。むしろ、ホストとしてはもてなすことに徹することができますし、めしを食わせれば「うまい」と言って喜んでくれるので、分かりやすくて良いです。

日本でもお客さんが家に来たときは「遠慮せずゆっくりしてってくださいね」と言われるかもしれないですが、ブラジル人のように遠慮せずゆっくりしていったら、「迷惑な人」というレッテルを貼られ、もう二度と呼んでもらえない可能性があります。

日本人は、お客さんもホストも、お互いに対して”求め過ぎ”な人が多いのではないかと思います(次ページへつづく)。

(文/唐木真吾、写真/Daniel Filho/Flickr)
※写真はイメージです

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著者紹介

唐木真吾 Shingo Karaki

唐木真吾 Shingo Karaki
1982年長野県生まれ。東京在住。2005年に早稲田大学商学部を卒業後、監査法人に就職。2012年に食品会社に転職し、ブラジルに5年8カ月間駐在。2018年2月に日本へ帰国。ブログ「ブラジル余話(http://tabatashingo.com/top/)」では、日本人の少ないブラジル北東部のさらに内陸部(ペルナンブーコ州ペトロリーナ)から見たブラジルを紹介している。
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