ブラジルの正義の味方、”連邦(警察)の日系人”が逮捕!?

2016年 06月 9日

連邦(警察)の日本人

人呼んで「連邦(警察)の日系人」。

現在ブラジルで進められている大規模な贈収賄・資金洗浄事件の捜査「ラヴァ・ジャット作戦」での容疑者逮捕現場に必ずと言っていいほど登場することから注目を集めていた、日系の連邦警察官だ。

ラヴァ・ジャット作戦を推進するセルジオ・モーロ判事とともに英雄として人気を博したニュートン氏は、2016年2月のオリンダのカーニヴァルでは、巨大人形で登場したことでも話題になった。

そんなニュートン氏が、今週火曜日(6月7日)クリチバ市で連邦警察に逮捕されたと、TVグローボの「グローボニュース」や「G1」などが一斉に報じている。

記事によると、密輸犯罪を促進した疑いで有罪判決を受けたのだという。令状はパラナ州西部のフォス・ド・イグアス市の第四連邦裁判所によって発行されたという。

ニュートン氏は、2003年に、連邦警察と連邦国税庁によって編成されたアナコンダ作戦における捜査対象である23名の連邦警察官のひとりとして告発され、4年2カ月の判決を言い渡されたが控訴していた。パラグアイとの国境に接するフォス・ド・イグアス市で、違法な密輸に関与したとのこと。

「司法高等裁判所(STJ)は、フォス・ド・イグアスでの有罪判決に対し先週行っていた我々の上訴を棄却しました。逮捕令状の発行を知った際、私のクライアントはそのことを伝えられすぐにクリチバへ出頭しました」(オスワルド弁護士)

弁護士はまた、ニュートン氏はすでに4ヶ月間は服役しており、これは全体の刑期から差し引かれるとも述べたという。

声明を通じ、連邦警察連盟(Fenapef)は、連邦捜査官のニュートン氏への支持を表明したという。

「ニュートン・イシイ警察官の逮捕は、我々を驚かせた。第一審は、彼が控訴することを完全に阻止した。だが実行されたすべての取り消しを要求するリソースはまだ存在する。アナコンダ作戦で捜査対象となった他の連邦捜査官は、すでに審議取り消しとなり、証拠不十分で無罪となっている」

Fenapefはまた、パラナ州連邦警察組合の法務部門が、ニュートン氏が来週解放されることを保証するために必要なすべての措置をとることを示したとも述べている。

汚職にまみれたブラジルの政治を正す、正義の味方のまさかの逮捕に、国民は驚いているようだ。

(文/柳田あや、写真/Reprodução/Globo News/TV Globo)
写真はTVグローボのグローボ・ニュースが報じたニュートン氏(右枠の一番左)の逮捕。TVグローボ系列の番組はIPCTV(グローボ・インターナショナル)で放送中。視聴の問い合わせは、080-3510-0676 日本語対応ダイヤルまで