ダイソーブラジルの挑戦
2017年 01月 5日大創産業(だいそうさんぎょう)は100円ショップのダイソーを運営する企業であり、日本国内に3000 店舗弱、日本国外の26 の国・地域に約1400 店舗を展開している。
その海外展開の一番最後が、このブラジルサンパウロである。
<旗艦店オープンまで>
2011年、ブラジルの内需は大きな可能性を秘めていることを調査で確認し、2012年1月にブラジル現地法人を設立した。
内需が大きいがビジネスは難しいという言葉が先行し、当地でのビジネスモデルがはっきり描き切れない中、まずフラッグシップ店をオープンさせることになり、店舗物件を探しに駆けずり回っていたものの、まともな物件は本当になかった。
あの時期は、物件も完全に売り手市場で、店舗取得に数千万円の権利金を要求されるのも当たり前で、オーナーから酷い扱いを受けながらしらみつぶしに一軒一軒物件交渉を行っていった。
何とかセントロの物件を押さえられたものの、同時に商品輸入の大きな壁に喘いでいた。
<輸入までの道のり>
会社を設立したものの、最も大きな障壁である、財務省連邦収税局にRadar という輸出入業者の登録をしなければならない。しかも、年間輸入金額が制限のある資格と、無制限資格の2タイプがあり、ダイソーの場合、スタートから無制限資格を取得できないと数か月でリミットを越えてしまい、商売として成り立たない。
しかし、新設して間もない企業は、営業実績がないため金額制限付き資格しか与えられないのが一般的と言われており、数年の実績を伴ってから無制限の資格に切り替え申請を行うよう、収税局や知り合いの日系企業からも助言されていた。
だが事態は深刻で、既に新店分の数コンテナはサントス港に向けて出港しており、後戻りはできない状況に陥っていた(次ページへつづく)。
(文/大野恵介、記事提供/ブラジル特報(日本ブラジル中央協会)、写真/divulgação)
ダイソー・ブラジルのEコマースの取り組みはグローボ系経済誌「エポカ・ネゴシオス」でも紹介された