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犯罪には本で応酬。ブラジルの大学生が子ども向け図書館を開設

私設図書館 ブラジル

ブラジル大都市圏では年を追うごとに10歳前後の子どもによる強盗が増えているという悲しい状況がある。スマホなどをひったくって逃げるレベルから、銃刀を持った本格的なレベルまで様々だ。

子どもの犯罪には様々な要因があるが、子どもを犯罪から遠ざけるための一つの選択肢を示した若者がブラジル中西部ゴイアス州にいるという。

TVグローボが2月18日、報道番組「ジョルナウ・ナシオナウ」で伝えたところによると、同州に住む大学生が、子どもを犯罪や暴力から遠ざける手段として私設図書館を建てたという。

その大学生とは心理学を専攻するジョナタン・フェリッピ・フェヘイラさん。世の中に自分ほど幸せな人間はいない、と語るジョナタンさんは、私設図書館で5000冊の本を子どもたちと共有している。

地元アパレシーダ・ヂ・ゴイアニア市で図書館をつくることはジョナタンさんの子どものころからの夢だったという。

ただ、この夢の実現を急ぐことになったきっかけは、ひと月に三度も強盗にあったことだった。

「三度とも携帯電話を取られたのですが、そのうち一度は相手が11、12歳の子どもでした。僕のおなかあたりにナイフを突きつけて、電話を渡せ、と言ったのです」(ジョナタンさん)

学校で学んでいるはずの年齢の子どもが、本ではなくナイフを持っていたことに衝撃を受けたという。

「その時2つの感情が沸き上がってきました。一つは強盗に遭ったことに対するフラストレーション、もう一つは『今、自分は何かをしなければならない』という使命感でした」(ジョナタンさん)

そして実際に行動を起こした。今は図書館で、愛や敬う心、読書を通じて旅をすることを子どもたちに伝えている。

「僕はここにきて本を読んだり、遊んだり、絵をかいたりいろんなことをするよ」(図書館利用者で8歳のウェズレイ・ジュニオールくん)

「私はここに来るようになって字が読めるようになったの。最初はほとんど何も読めなかったわ」(図書館利用者で9歳のサブリナ・ヒベイロ・ド・ナシメントちゃん)

図書館には一日に約80人の子どもたちがやってくる。

図書館開設を実現するには彼の母の協力が不可欠だった。自宅の向かいにある家の部屋2つとトイレを1つ、面積にして30平方メートルの場所を図書館のために提供してもらう必要があったからだ。

「図書館をつくったことによる変化は、長期的に表れてくるものです。僕はこの方法で地域に貢献したいと思っています」(ジョナタンさん)

ジョナタンさんの母ドゥセレーニ・ヂ・アウメイダ・シウヴァさんは自宅の向かいの敷地から家賃収入を得ることを諦めたが、後悔はしていないという。

「私は自分の息子がやっていることはとてもいいことだと思っています」(ドゥセレーニさん)

TVグローボのレポーターが、図書館でブラジル人絵本作家ジラウドの本を楽しんでいる11歳のカイキくんに話を聞いた。

レポーター「この本のどの部分が気に入っているの?」

カイキくん「主人公はね、汚れた星で暮らしていたんだよ」

レポーター「最後はどうなるのかな?」

カイキくん「とてもいい、とても面白いよ」

レポーター「話してはくれないんだ?」

カイキくん「おにいさんもちゃんと読まなきゃ。しゃべっちゃったらつまらないでしょ?」

(文/余田庸子、写真/Reprodução/Jornal Nacional/TV Globo)
写真は、TV Globoの報道番組「ジョルナウ・ナシオナウ」より、アパレシーダ・ヂ・ゴイアニア市につくられた私設図書館。TVグローボ系列の番組はIPCTV(グローボ・インターナショナル)で放送中。視聴の問い合わせは、080-3510-0676 日本語対応ダイヤルまで

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