「ブラジル先住民の椅子展」今週末より開催

2018年 06月 29日

先住民の椅子 ブラジル

東京都庭園美術館では、6月30日(土)から9月17日(月)まで「ブラジル先住民の椅子 野生動物と想像力」が開催される。

ブラジル北部~中部のアマゾン河やシングー川流域で暮らす先住民の人びとが作る一木造りの椅子は、動物のフォルムや機能的なフォルムに独特な幾何学模様が施されており、ユニークなものがたくさんある。

元々、先住民にとっての椅子は、日常生活の中で使用したり、シャーマンによる儀式や結婚式等の特別な機会に用いるなど、彼らの生活や伝統、独自の神話と色濃く結びついており、コミュニティ内の文化的・社会的なシンボルでもあったという。それが今日では、コミュニティの外との繋がりから刺激を受けて、自らのアイデンティティを自然を捉える眼に求め、用途や伝統に縛られないより多様かつ自由な表現が生まれてきているそうだ。

先住民の椅子

今回の展覧会は、サンパウロの出版社であるベイ出版が収集した300点を超える「先住民の椅子」コレクションの中から、メイナクの人々の手がけた動物を象った椅子を中心に、選りすぐりの17部族の椅子コレクション約90点を取り上げ、紹介する、世界初の展覧会となる。

サンパウロに拠点を持つベイ出版は美術・建築関連の出版社で、社名のベイ (BEĨ)は、ブラジルの先住民の言葉で「もう少し」という意味を持ち、物事の限界に挑み克服しようとする同社の精神を表しているとのこと。

同社は、15年以上前から先住民の椅子の収集を行ってきた。先住民による製作物を単なる標本資料として見るのではなく、ブラジル独自の現代的表現として認め、その造形美について評価・普及することを目的に蒐集活動を行ってきた。

また、会場の構成は世界的建築家の伊東豊雄氏によって手がけられ、旧朝香宮邸(本館)とホワイト キューブのギャラリー(新館)という対照的な空間に分かれる東京都庭園美術館の特徴を生かした構成となっているとのこと。

【展示会概要】
会期:2018年6月30日(土) ~ 9月17日(祝・月)
開館時間:10:00 ~ 18:00(入館は閉館の30分前まで)
※7月20日 ~ 8月31日までの毎週金曜日は夜21:00まで開館(入館は20:30まで)
休館日:第2・第4水曜日(7月11日、7月25日、8月8日、8月22日、9月12日)
会場:東京都庭園美術館 本館+新館ギャラリー1
アクセス:東京都港区白金台5–21–9
[目黒駅]JR 山手線東口/東急目黒線正面口より徒歩7分
[白金台駅]都営三田線/東京メトロ南北線1 番出口より徒歩6分
入館料:一般1,200(960)円 / 大学生(専修・各種専門学校含む)960(760)円 / 中・高校生600(480)円 / 65歳以上600(480)円 ※( )内は前売りおよび20名以上の団体料金。
前売券は、e+(イープラス) http://eplus.jp、ファミリーマートのファミポート端末より購入可能。
ウェブサイト:www.teien-art-museum.ne.jp

(文/柳田あや、画像提供/東京都庭園美術館)
写真上/ウルフ作(メイナク)《ジャガー》 ⓒ BEĨ collection / by Rafael Costa
写真下/カマリ作(クイクロ)《ホウカンチョウ》 ⓒ BEĨ collection / by Rafael Costa