JCBとブラジル大手銀行「カイシャ」が提携。ラテンアメリカ初のJCBカード発行で合意

2013年 09月 10日

Corinthians v Flamengo - Brazilian Series A 2013

9月10日、ジェーシービーとジェーシービー・インターナショナルは、ジェーシービーの海外業務を行う子会社ジェーシービー・インターナショナルが、ラテンアメリカ最大の政府系金融機関Caixa Econômica Federal(和訳:ブラジル連邦貯蓄銀行、通称「CAIXA(カイシャ)」と、ラテンアメリカ初となるブラジルでのJCBカード発行について合意したと発表した。2013年9月9日(月)、CAIXAの本社所在地である首都ブラジリアにてライセンス契約書を締結したという。

JCBとCAIXAは、2014年4月をメドに、ブラジル在住の一般消費者向けにJCBブランドのクレジットカード発行を開始すべく準備を進める。将来的には、JCBブランドのデビットカードやプリペイドカードの発行についても検討、クレジットカードの発行開始後3年間で、計500万口座以上のJCBカードの発行を目指す。

CAIXAは、ブラジルの連邦政府に所属する同国の代表的な金融機関で、都市開発やインフラ整備、低所得者向けの社会プログラムの実施などに関し重要な役割を担っている。100%政府系銀行としてはラテンアメリカ最大であり、同時にブラジル4大銀行のひとつといわれている。

CAIXA カイシャは現在、リオのフラメンゴ、サンパウロのコリンチャンスというふたつの名門サッカー・チームとスポンサー契約を結んでいることでも知られている。コリンチャンスとの契約は2012年11月に、2013年シーズン終了までの契約(延長オプションつき)と発表された。フラメンゴとは2013年に2015年までの2年契約を締結している。エスタード紙の今年5月の報道によると、カイシャのスポンサー料は、フラメンゴへは2500万ヘアイス(約10億円)、コリンチャンスへは3000万ヘアイス(約13億円)とのこと(※為替は1レアル43.845782円で計算)。

また同銀行は、国内の全市町村に支店を持つ同国唯一の銀行であり、全国の支店ネットワークを活かし、カード発行にも積極的に取り組んでいるという(クレジットカード発行残高:1,100万枚、デビットカード発行残高:7,600万枚)。

約2億人の人口を抱えるブラジルでは、近年の急速な経済発展と国民所得の上昇により、消費者のカード決済ニーズは急激に高まっている。スーパーマーケットでコーラ1本を買うのにもクレジットカードを使うほど。今後の需要拡大も見込まれている。

JCBは、1997年にブラジル最大のカード加盟店網を保有する金融機関Cieloと提携し、旅行者の利便性向上に努めているとのこと。現在では、クレジットカードが使えるほぼ全店にあたる120万店でJCBカードの利用が可能となっているという。

(文/麻生雅人、写真/LatinContent/Getty Images)
写真は2013年9月1日、サンパウロ。ブラジル選手権、フォラメンゴ×コリンチャンスの試合にて、João Paulo ジョアン・パウロ(フラメンゴ)とRalf ラウフ(コリンチャンス)。