双日、ブラジルで農業・穀物集荷・ターミナル事業に出資

10月22日（火）、双日は、ブラジルにて農業・穀物集荷輸出事業をおこなうカンタガロ ジェネラル グレインズ株式会社（本社：ブラジル サンパウロ市）と、その中核子会社であるシージージー トレーディング株式会社との2社（以下CGGグループ）に出資、ブラジルにおける農業・穀物集荷事業に進出し、穀物取扱規模を拡大すると発表した。

双日によると、CGGグループは、2010年に設立され、現在約15万haの農地を保有し、年間2百万トンの穀物集荷を展開しているという。

CGGグループと双日は今後、CGGグループが使用権益を保有するブラジル北部イタキ港の港湾ターミナル、内陸サイロ、農地取得・開発への投資を予定。2020年以降、CGGグループでの穀物取扱量を6百万トン、保有農地を20万haまで拡大させる計画だという。

従来、ブラジルからの穀物は南部港からの輸出が中心だったが、物流インフラ未整備により、輸出の最盛期には長期滞船が恒常化していた。現在開発が進められているイタキ港は、物流のボトルネック解消による船積み期間短縮とアジアまでの航行距離の短縮による競争力確保が期待されるという。

双日は本出資を通じて、農業生産・集荷・ターミナル事業を共同で事業運営するとともにCGGグループが集荷するブラジル産穀物（大豆・コーン・小麦等）を優先的に買い取り、アジア・日本市場向けに加えて、世界大豆貿易量の7割を輸入する中国市場向けに穀物の販売を行う。また、農業生産においては、北東部のセラードと呼ばれる耕作不適地を土壌改良、新たに農地を開拓することにより、グローバルな食糧増産に寄与することも企図しているという。

（文／麻生雅人、図版提供／双日）
図版一番上：港湾ターミナル完成図、図版中：ブラジル地図