リオの地下鉄4号線トンネル工事で、「タトゥザォン」始動
2013年 12月 24日ブラジルでは、ブラジリア、リオデジャネイロ、サンパウロ、ベロオリゾンチ、サントス、クリチーバ、カンピーナス、ポルトアレグリなど、いくつかの都市で地下鉄(Metrô メトロ)が活躍している。
そのうちリオの地下鉄は現在、2路線が運行中だが、12月23日(月)、巨大掘削マシーンを使った新路線(4号線)のトンネル掘り工事が始まったことを「グローボ」、「アジェンシア・ブラジル」(共に電子版)などが伝えた。
巨大掘削マシーンの愛称はタトゥザォン(巨大タトゥー)。穴掘り名人といわれるアルマジロ(ブラジルでは、2014年のワールドカップのマスコット、タトゥー・ボーラでもお馴染みのタトゥー)にちなんだ名前だ。
このタトゥザォンは重さ2700トン、全長120メートル、直径11.5メートルで、岩盤であろうが砂であろうが、一日に15~18メートル掘り、過去にリオで使われたマシーンより4倍作業が早まるという。
4号線の担当責任者アルイージオ・コウチーニョ氏によると、タトゥザォンを使うと爆破をしなくても工事ができるのが大きな利点だという。市民が生活する街の地下で岩盤や砂地を削りなが掘削して、岩や砂はベルトコンベアでトンネルの外へ運ばれる。工事地区の近くで暮らしている人には音も聞こえな刈れば振動もないという。
セルジオ・カブラウ・リオ州知事によると、4号線の工事は都市開発では南米最大規模で、7500人が作業に従事して80億ヘアイス(レアル)(約3540億円、1ヘアウ44.247412で換算)以上の予算が投じられるという。
工事が始まった4号線は、イパネマの General Osório ジェネラウ・オゾーリオ駅とつながり、Nossa Senhora da Paz ノッサ・セニョーラ・ダ・パス駅、Jardim de Alah ジャルジン・ジ・アラー駅、Antero de Quental アンテロ・ヂ・ケンタウ駅、Gávea ガーヴィア駅、 São Conrado サン・コンラード駅、Jardim Oceânico ジャルジン・ジ・オセアニコ駅、の6駅となる予定。
路線はイパネマからバーハ・ダ・チジュッカ方面まで16キロにわたり、ジャルジン・ジ・オセアニコ駅まで向かう線と、アンテロ・ヂ・ケンタウ駅から北上してガーヴィア駅に向かう線がある。ゾナ・スウ(南部)とゾナ・オエスチ(西部)のバーハをつなぐトンネルはすでに2010年に開通しており、アルイージオによると他のトンネルの完成は2015年後半の予定とのこと(操業開始は2016年の予定)。
開通するとバーハからサン・コンラードまでは約5分、バーハからイパネマまでは約15分、バーハからチジュッカまでは約50分で移動できると予定で、ジャルジン・オセアニコ駅は9万1000人、サン・コンラード駅は6万1000人が1日に利用すると予想されている。
「通勤に利用する人は、今までより家で休む時間が長くとれるので、ゆっくり寝る時間が作れるでしょう」(カブラウ知事)
4号線が開通すると1日に30万人を輸送し、2000台の自家用車を道路から減らすことができると目されている。また、サン・コンラード駅からホッシーニャと他の2地域、ジャルジン・ヂ・オセアニコ駅からは北部のチジュッカ地区にあるウルグアイ駅に伸びる路線も計画されているとのこと。
(文/麻生雅人、写真/Rodrigo Bethlem)
2013年12月23日、リオデジャネイロのタトゥザォン始動現場