世界で喫煙率が減少するも、喫煙人口は増加へ。ブラジルでは喫煙者は減少

2014年 01月 11日

タバコ展

ワシントン大学健康指標評価研究所(IHME)が行った喫煙に関する調査結果が米国医師会雑誌(JAMA)に発表されたことを、1月8日付け「ヴェージャ」(電子版)が伝えている。

同研究所が187ヶ国で行った調査によると、1980年から2012年の間に喫煙率は下がっており、女性は10.6%から6.2%に、男性は41%から31%に、減少しているという。女性の方が禁煙率が高かった。

ところが研究によると、1980年に世界の喫煙者は7億2100万人だったが、2012年には9億6700万人に増加している。喫煙者数の数字が増加しているのは、約30年間の間に人口が増加しているためだという。

喫煙者が減り始めたのは1990年代半ばころからで、2010年以降、男性の喫煙者が再び増加しているという。ロシアや中国などの大国でその傾向は大きいという。

「私たちの研究で分かっているのは、喫煙者の約半分が、たばこが原因で命を落としているということです」とIHMEのアラン・ロペス氏は語る。

ブラジルの場合は、サンパウロ連邦大学(UNIFESP)の調査によるとこの6年間の間に国内の喫煙者は減少しているという。2006年には19.3%だったのが、2012年には15.6%になっているとのこと。ブラジルでは女性よりも男性の方が、喫煙をやめた人数が多かったという。

IHMEによると、2012年、男性の喫煙率が高かった上位5位は、東チモール(61.1%)、インドネシア(57%)、キリバス共和国(54.4%)、アルメニア(51.7%)、パプアニューギニア(51.4%)。同じく、少なかったベスト5は、アンティグア・バーブーダ(5%)、サントメ・プリンシペ(7%)、ナイジェリア(7.5%)、エチオピア(7.7%)、ガーナ(8.2%)。

2012年、女性の喫煙率が高かった上位5位は、ギリシャ(37.4%)、ブルガリア(31.5%)、キリバス共和国(31.3%)、オーストリア(28.3%)、フランス(27.7%)。同じく、少なかったベスト5は、エリトリア(0.6%)、カメルーン(0.6%)、モロッコ(0.7%)、ガンビア(0.8%)、リビア(0.9%)、オマーン(0.9%)、アルジェリア(0.9%)、アゼルバイジャン(0.9%)、エチオピア(1.0%)、スーダン(1.0%)。

(文/麻生雅人、写真/Wilson Dias/ABr)
写真は2010年の世界禁煙デー(5月31日)に、連邦下院議会で世界保健機構が、たばこ業界の広告戦略を紹介した展示会