ポルトガル語で「出世しませんよ!」、「どーよ?」は?旅行にも役立つ、「言葉図鑑」4ヶ国語版が発売

2014年 02月 4日

言葉図鑑 なまえとくらしのことば

言葉を品詞ごとに分けて、五味太郎の愉快な絵と共に言葉の意味を教えてくれる楽しい図鑑「言葉図鑑」シリーズ(偕成社)。「うごきのことば」(動詞)、「ようすのことば」(副詞)、「つなぎのことば」(助詞)、「かざることば」(形容詞、形容動詞)、「くらしのことば」(挨拶語など)、「たとえのことば」(比喩のことば)、「かくれたことば」(暗示・省略された語)、「しっぽのことば」(助動詞)、「名前のことば」(名詞)など全10刊が発売されている。

さまざまなシチュエーションで使う言葉の基本的な単語、品詞の使い方を、楽しい絵を見ながら自然と言葉を覚えることができるこのシリーズは、1985年に発売された。以来ロングセラーとなって、今も、家庭はもとより学校など教育現場でも親しまれている。

この「言葉図鑑」に、日本語、英語、ポルトガル語、スペイン語を収録した4ヶ国語版が登場した。4ヶ国語版は「なまえのことばとくらしのことば」、「うごきのことばとかざることば」の2種類となっている。

第一巻の「なまえのことばとくらしのことば」では、はな、うし、かお、さかな、ぞうなどの「なまえのことば」と、あいさつことば、おわびことば、おどろきことば、よびかけことばなど、いろいろなシチュエーション別の「くらしのことば」が紹介されている。

児童がことばを覚えるのにやくだつのはもちろんだが、大人も十分楽しめる。たとえば「いろ」の名前では、あかちゃいろやきみどりなど混合色が、「はな」の名前では、かすみそうやひなげし、わすれなぐさなど、あまり使いなれないような言葉も載っている。

言葉図鑑 中面

より楽しいのは、生活の中で実際に使いそうなことばが、ユーモラスなイラストとともに紹介される「くらしのことば」だ。

たとえば「おどろきことば」では、「きゃあ」「わあっ」「どきっ」「びっくりした!」「しぬかとおもった」「やばい」など9つ、「ほめことば」では、「すごい」「てんさいだ」「おどろいたね」「みあげたものだ」「ま、おじょうず」「あっぱれ」など13のことばを紹介。辞書には出ていないような、日常表現における微妙な差異が学べる野が嬉しい。

「おみやげ忘れないでね」なんて表現もでてくる「おわかれことば」の項は、実際に旅行で友達と会話をするときに重宝しそうだ。

もちろん言葉を学ぶだけでなく、多国籍の児童が共存している教室などでは、コミュニケーションを取り合う手助けをしてくれるだろう。大人にとっては、シチュエーション別に生活に根差したことばが学べるので、会話やSNSでの表現のバリエーションを増やすのに役立ちそうだ。

ポルトガル語訳は田所清克氏、ペドロ・アイレス氏、スペイン語訳は恩知敏子氏が手掛けている。

「言葉図鑑 にほんご えいご ポルトガルご スペインご」(全2巻、各平均80ページ、30cm×25cm)。五味太郎・作。偕成社・刊

(文・写真下/麻生雅人、写真上/偕成社)