労働者党(PT)、現職ジウマ大統領を次期大統領候補として確認。「カムバック・ルーラ」運動を抑える目的も

2014年 05月 4日

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労働者党(PT)はジウマ大統領を候補とすることで合意した。現地メディア(「エスタダォン」5月2日付け、電子版)が伝えた。

複数の現地メディア「G1」(4月28日付け、29日付け、電子版)、「エスタダォン」(5月2日付け、電子版)などが、ルーラ元大統領に、来る大統領選に向けて労働者党(PT)候補としての出馬に期待する声が与党内で高まっている「カムバック・ルーラ」のムーヴメントを報じていた。

ルーラ元大統領の出馬への期待には、同じく労働者党の現職ジウマ・フセフィ(ジルマ・ルセーフ)大統領の支持率低下が背景にあると言われている。

4月28日(月)に与党である共和国党(PR)の議員団が「カムバック・ルーラ」の動向を支持することを表明。これを受けて、翌日にはGilberto Carvalho ジウベルト・カルヴァーリョ大統領府総務局長が困惑していることを表明していた。しかし5月1日付け「フォーリャ」は、ブラジル労働党(PTB)も「カムバック・ルーラ」への賛同を表明したことを報道。与党の動向が注視されていた。

そして5月2日(金)、労働者党(PT)はサンパウロで行われた第14回党大会において、ジウマ現大統領を次期大統領選の候補として確認したという。この確認は、「カムバック・ルーラ」の動きを封じるために行われたというわれている。

労働者党(PT)のRui Falcão フイ・ファウカォン代表は、アニェンビで行われた大会に出席した約800名の委員と約2000名の招待者たちに、ジウマ現大統領の再選を支持するか問いかけたところ、全会一致でジウマ現大統領支持が確認されたという。

「労働者党(PT)からの大統領選候補という、この名誉ある任務を受け止めます」とジウマ大統領は語った。

大会には、「カムバック・ルーラ」のムーヴメントで候補が期待されているルーラ元大統領も参加。元大統領は、ジウマ現大統領と共に会場入りをした。ジウマ氏の手を取り同氏支援を表明した写真も各新聞で報じられている。

ジウマ大統領のスピーチの後、ルーラ元大統領もスピーチを行い、10月の大統領選に向けて「ジウマ大統領の他に候補があるなどと考えないでいただきたい」と語った。

「党内の分裂は敵を優位に立たせるだけです。(選挙)キャンペーンは簡単なものではありません。労力を無駄にすることはできません」(ルーラ元大統領)

(文/麻生雅人、写真/Jose Cruz/Agência Brasil)
「ルーラ・カムバック」の声が上がる中、4月30日、リオブランコ外交官養成学校の卒業式に参加したジウマ大統領