ブラジル、2016年リオデジャネイロ・オリンピック・パラリンピックでメダル30個を目標に。予算は、約600億円!?

2014年 07月 28日

体操 フラヴィア・サライーヴァ

ブラジルオリンピック委員会(COB)は、2016年に開催されるリオデジャネイロ夏季大会で、ランキングでトップ10内に入ることと、より多くのメダル確保のため、6億USドルを費やす予定だと発表したと、各国メディア(「オ・グローボ」7月23日づけ、「ガーディアン」7月27日づけ、電子版など)が伝えている。

シナリオでは、トータルでメダル17個を獲得した2012年ロンドン夏季大会よりもさらに10個以上も上回る、27~30個のメダル獲得を目標としているという。ロンドン大会での総合ランキングは15位で、同大会で費やされたのは約3億5000万USドルだったそうだ。

大会のホスト国となり責任感が増すことで、前大会の記録を塗り替えることは間違いないとマルクス・ヴィニシウス・フレイリCOBエグゼクティブディレクターは語った。

「オリンピックに関して、サッカー、バレー、柔道など3~4つのスポーツだけに焦点を当てているわけではありません。10~12の競技でメダルを獲ることを目標に、予算を分配する予定です」(マルクスCOBエグゼクティブディレクター)

2012年にオリンピック・パラリンピックのホスト国となったイギリスを参考に、ブラジルでのオリンピックファンド資金を増加させる計画だという。

イギリスは公共の資金源から2億ポンドを投じて計3億ポンド(5.11億ドル)を費やし、29個の金メダルを含む65個のメダルを獲得。1908年以来最大の成果を導き出すこ とに成功した。2000年のシドニーオリンピックでは、イギリスの予算は5890万ポンドで、メダルの数は10位だった。

中国も、北京オリンピックで51個の競技に勝った時に、金メダル獲得数で常勝アメリカを破った。しかし、その数は4年後のロンドンで38個に落ちた。

サッカーに関してブラジルは、ワールドカップ終了後、オリンピックに焦点を当て始めているようだ。

ルイス·フェリペ·スコラーリ監督、ブラジルサッカー連盟のジョゼー・マリア・マリン会長は、 優勝できなかった場合は「我々は、全員で地獄に行くよ」、「優勝以外は意味が無い」とトーナメントの中で語っていた。

その結果、代表チームは準決勝でチャンピオンチームとなったドイツに記録的な1-7の敗北を喫し、崩された誇りを回復するための多くの課題を残した。スコラーリ監督はW杯の後、監督のポストから去っている。

ロンドンでの17個というメダル獲得数は、ブラジルの歴史では最高のパフォーマンスだった。さらにメダル獲得数でトップ10を目標とすることが、ブラジルサッカー選手たちを圧迫するようなことは無いと思われるが、メンタル面での対処も課題のひとつだ。

カルロス・アルトゥール・ヌスマンCOE会長は「ブラジル代表のサッカー選手たちは優勝の圧力に負けないように心理学者がサポートしてきた。オリンピック選手たちも同様の支援を得るでしょう」と語ったという。

マルクスCOBエグゼクティブディレクターは「ブラジルは金メダルを獲得するために、特別な競技で何らかの目標を設定しているわけではありません。ブラジルは歴史的にセーリング、柔道、ビーチバレーでは良い成績をあげてきましたが、スポーツでより改善できる競技でメダルに届きそうな、ボクシング​、体操、五種競技、カヌーなども候補に挙げられています」と語る。

そして「ブラジルは、メダルの色を意識しません」と、締めくくった。

(文/加藤元庸、写真/LatinContent/Getty Images)
写真は2013年09月23日(月)、ペルー、リマ。南米スポーツ機構(ODESUR)主催の南米ユース選手権で表彰される体操のフラヴィア・ロペス・サライーヴァ(左)とヘベッカ・ホドリゲス・ヂ・アンドラーヂ(中央)。2016年リオ・オリンピック・パラリンピックでも、体操で二人の活躍が期待されている