サントスの燃料ターミナル火災、4日目で未だ鎮火せず
2015年 04月 5日4月2日(木)の朝10時頃、ブラジルのサンパウロ州サントス市アレモア地区にあるウートラカーゴ社のアルコールやガソリンなどの液体燃料貯蔵タンクターミナルで火災が発生した。
最初の火災はひとつのタンクから始まったが、4日(土)には6つめのタンクにも引火。5日(日)の朝10時ごろにもまだ消火は成功していない。グローボ系列の「エポカ・ネゴシオス」誌(電子版、4日~5日づけ)が伝えている。
2日から消防隊によって休まず続けられている消火活動は、5日(日)で4日目に入り、すでに72時間が経過した。4日づけの「エポカ・ネゴシオス」によると、4日午後15時50分頃の時点で2つのタンクは鎮火、残る4つのタンクの消火活動が続けてられていると報じていた。
また、火災が起きている近辺のエリアにはもう2つの貯蔵タンクがあり、そのうちのひとつは空だが、もうひとつのタンクにはエタノールが貯蔵されているという。この2台のタンクは現在のところは影響を受けていないが、消防隊はこのエタノールのタンクに引火しないように、同タンクの冷却オペレーションも行っている。
ウートラカーゴ社は、現在まで死傷者はひとりも出ていないと広報しているとのこと。
「サントス港で業務を行っている企業は、設備や人員などで鎮火活動への協力を続けています。この協力プランは、ブラジル液体(燃料)ターミナル協会(ABTL)の企業統合緊急計画、および、隣接するマウアー市、クバタォン市の産業界も参加している共済計画にもとづいています」(ウートラカーゴ社)
4日、サントス市のパウロ・アレシャンドリ・バルボーザ市長(ブラジル社会民主党:PSDB)はミシェウ・テメル副大統領を通じて連邦政府とブラジル石油公社の協力を要請した。要請を受けてペトロブラスは、消防隊に消火用の泡をトラックで届けたという。
消防隊も可能な限りの手を尽くして消火活動を続けている。
「サントス市や支援してくれている企業らと共に鎮火活動にあたっています。鎮火は成し遂げられると信じています」と消防署のスポークスマン、マルコス・パルンボ氏は語った。
バルンボ氏によると、すでに40億リットルの海水が消火に使われているという。
「火災が高温のため、水は火元に到達する前に蒸発してしまいます。そのため消火自体は決して容易ではありませんが、他のタンクが高温になり引火して火災が広がらないようにすることも重要なオペレーションのひとつとなっています」(マルコス・パルンボ氏)
そして5日(日)未明、消防隊は燃えている4つのタンクのうちひとつの消火に成功。燃えているタンクは3つになった。今なお放水を続け、タンクの冷却オペレーションを続行している。
(文/麻生雅人、写真/Corpo de Bombeiros da PMESP)
写真は4月4日の消火活動現場