【ブラジル】今年第3四半期、ドル高・金利高で企業利益の81%が消失
2015年 12月 4日現地メディア「オ・エスタード・ヂ・サン・パウロ」が11月17日づけで報じたところによると、ドル高・金利高がサンパウロ証券取引所(以下「ボベスパ」)上場企業の第3四半期決算に大きなダメージを与えているという。
コンサルティング会社「エコノマチカ」の調査によると、ペトロブラス、ヴァーリ、エレトロブラスを除くボベスパ上場企業218社の金融費用が2014年の260億レアル(約8300億円)から650億レアル(約2兆円)へ、151%の増加となっている。
また同調査によると、2015年第3四半期の純利益が24億レアル(約770億円)で、前年同期比で81%減少しているとのことだ。ちなみに前年同期の純利益は125億レアル(約4000億円)だった。
ペトロブラス、ヴァーリ、エレトロブラスの3社を除いたのは、これらの会社の損益を含むと一般的な傾向が見えにくくなるため、とのこと。
ちなみに上記3社を含めた数字は、2014年第3四半期の純利益は10億レアル(約320億円)、今年の同時期は赤字に転じ、12億レアル(約385億円)の損失になったという。
これらの費用増加・利益減少は金利高・ドル高が原因であることは明らかだ。為替レートは2014年9月では1ドル2.45だったのに対し、2015年は3.97にまでドル高が進行した。
ボベスパ上場企業218社の負債総額は5490億レアル(約17兆5600億円)から7160億レアル(約22兆9000億円)に、30%以上増加した。ペトロブラス、ヴァーリ、エレトロブラスの3社を含めると9910億レアル(約31兆7000億円)から1兆4000億ドル(約44兆8千億円)、と40%以上の増加を示している。
一方、営業利益の面でも強さは見られない(次ページへつづく)。
(文/余田庸子、写真/Rafael Neddermeyer/Fotos Públicas)