ラタン航空、オリパラ期間の対応計画を発表

2016年 06月 9日

車いすラグビー リオ オリパラ

現地紙「オ・グローボ」電子版が6月3日づけで伝えたところによると、ラタン(ラタム)航空(以下「ラタン」)はリオデジャネイロ・オリンピック・パラリンピックの期間中、特別体制を敷くことを発表したという。

同社はオリパラ期間中に37万5千人の輸送を見込んでおり、その需要に対応するための2000万レアル(約6億4000万円)を投資。増便および個別対応が必要な乗客への対応の拡充など、オリンピック特需対応計画を練りあげた。

ラタンではリオにバイリンガルスタッフを通常より多く配置する。またリオ発着で飛行時間60分以内の便では機内サービスを行わない予定で、かわりに機内に入る際に乗客はランチセットと飴、飲料水を受け取ることとなる。

選手たちはオリンピック村でチェックインを行うことになるが、これは2015年にカナダのトロントで行われたパンアメリカン競技大会で同様の対応が見られた。空港での荷物預入の際にベルトコンベアに載らない規格外のスポーツ器具については選手村でチェックインを行ったのだ。

ラタンのもう一つの心配事は個別対応が必要な乗客、特に車いすを使う乗客への対応だ。

通常の期間は車いすが必要な乗客への対応は少なく、1便に2人いるかいないかだ。しかしながらパラリンピック期間中は車いす利用の乗客が1便に数十人ということがあり得る。この状態では通常より搭乗に時間がかかることが予想される。コスタ氏によれば、スペインの選手団を例にとると、1便に38人の車いす利用の乗客が見込まれるという。

便の遅れを避けるため、ラタンは該当する便に車いす担当スタッフの数を増やし、現在機内で使用している車いすの改良も行う予定だ。現在の車いすだと狭い通路を通れない。また車いすの乗客を手荷物受取エリアに運ぶための複数人が乗れる昇降式のプラットフォームも必要となるとみている。

ラタンは国外にいるスタッフ、特にオリンピック観戦者数やオリンピックにかかわる人員が多い都市にいるスタッフの訓練も必要だという。サンチアゴ(チリ)、マドリッド(スペイン)、パリ(フランス)、シドニー(オーストラリア)、ニューヨーク(米国)、メキシコシティ(メキシコ)がそれに該当する。これらの都市を発着する便にかかわるラタンのスタッフの対応力を強化する必要があるという。

(文/余田庸子、写真/Tomaz Silva/Agência Brasil)
写真は2月26日、リオデジャネイロのバーハ・ダ・チジュッカ。カリオカ第1アリーナで行われた車いすラグビーのテスト試合