まるで高級ホテル! エンブラエル社、超富裕層向けジェット機発売

2016年 06月 11日

エンブラエル プライベートジェット ブラジル

特別棟を訪問する顧客は希望する航空機のサイズ別にそれぞれの機体の内装を模した部屋に案内される。部屋では航空機についての説明を受け、疑問点を解消する。部屋は機体のスイートルームと同じ造りになっていて、顧客は打ち合わせの間そこで過ごす。

「この市場の顧客は非常に限定的です。年間で売れる航空機は約700体。お客様を獲得するためにはこの部屋での快適な時間を演出する必要があるのです。一般的にはお客様はあらゆる要素を総合的に判断してお決めになります。例えば機体の操作性、自動操縦機能、キャビン内の広さ、座席やお手洗いの快適さなどです。お客様によい買い物をしていただくために安心して決断できる空間を作る必要があるのです」(エンブラエル社エグゼクティブ向け航空機マーケティング副社長ルシアーノ・フロエス氏)

エンブラエル社には潜在顧客を開拓するための専任スタッフがいる。彼らは世界の航空機販売データを分析し、すでに航空機を保有している顧客の買い替えニーズを掘り起こすための戦略立案を極秘ミッションとして行っている。

売買契約が終わっても顧客への働きかけは終わらない。カスタマーサービスを指揮するフェリッピ・サントス氏によると、顧客が機体を確認したいと言えば引渡し前の機体の中を見られるよう手配する。

「この体験は特別なものでなくてはなりません。私たちはお客様に『わぁ!』とびっくりする感覚を味わってもらいたいのです。購入プロセスの最初から最後までお客様には満足していただきたいのです。私たちが目指すのは満足したお客様が別のお客様を紹介してくださるような良い循環を生むことです」(フィリッピ・サントス氏)

(文/余田庸子、写真/Divulgação/Embraer)
多くの場合、カスタマイズの最終的な決定は顧客の女性の意見が取り入れられるという