ブラジル、8月のインフレ率は伸びが鈍化
2016年 09月 12日グローボ系ニュースサイト「G1」他、現地メディアが9月9日づけで報じたところによると、ブラジルにおける2016年8月のインフレ率は前月より上昇率が縮小したという。
食料品価格の上昇が鈍化したことが影響したとみられる。
とはいえ、1月-8月以降のインフレ率は+5.42%で、直近12か月では+8.97%とのことだ。ちなみにブラジル中央銀行は2016年のインフレ率は+6.5%程度に抑えるとしていた。
ブラジル地理統計院(IBGE)が発表したデータによると、8月の広域消費者物価指数は前月に比べて+0.44%で、前月の+0.52%より伸びが鈍化している。
「一般的にこの時期は収穫後の農産品が市場に出回るため、消費者物価指数は、特に食料品で自然に下がります。8月単月でみると、0.44%の上昇というのは過去10年間で最も高いのです。多少ましにはなったとはいえ、まだ物価は上昇傾向にあります」(IBGE物価指数担当コーディネーター、エウリーナ・ヌネス・ドス・サントスさん)
8月は食料品と飲料でインフレ圧力が少し弱まり、+0.3%だった。個別の品目ではジャガイモ(-8%)とフェイジョン豆(-5.6%)の価格が下がった。一方で果物は5%上昇した。
交通費は+0.27%にとどまったが、これは航空券代が3.85%下がったことが影響している。その他特筆すべき項目は下記のとおり。
住宅用品 +0.36%
通信費 -0.02%
教育関連 +0.99%
ホテル・宿泊* +11.58%
* オリンピックが開催されたリオデジャネイロでは+111.23%
「8月はオリンピックという特殊要因があり、インフレ圧力がかなり強い月だったといえます。リオに限って言えば月間インフレ率は1%で、他の地域で得られたほどの恩恵は受けませんでした。食料品・飲料の分野はブラジル全体では+0.3%だったのに対し、リオでは+0.9%となっています。オリンピックという特殊要因はホテルの宿泊費が2倍以上になった点にも反映されています」(エウリーナさん)
(文/余田庸子、写真/Fernando Frazão/Agência Brasil)
写真は9月10日、リオデジャネイロのオリンピック公園に集う人々