ルノー・ブラジルが「女性のエンパワーメント原則」金賞を受賞
2016年 12月 4日ルノー・日産アライアンスは11月29日、「女性のための経済・社会フォーラム2016 (Women’s Forum 2016)」の開幕にあわせて、男女平等への継続した取り組みを確認したことを発表した。
「女性のための経済・社会フォーラム」は、女性が課題や障壁を克服し、経済におけるキャリア機会を捉えることを後押しするための年次国際会議。ルノー・日産アライアンスは2006年から同会議を支援している。2016年のフォーラムは、11月30日~12月2日までフランスのドーヴィルで開催された。
ルノーと日産は、数名の女性を重要な経営幹部ポジションに任命しました。ヴェロニク サラデポは、購買を統括するアライアンス グローバル副社長、および、ルノー・ニッサンパーチェシングオーガニゼーション(RNPO)の会長兼マネージング・ダイレクターに就任しました。クロティルドゥ デルボスは、ルノーの副社長および最高財務責任者(CFO)及びRCIバンクの取締役会会長に、マイラ ゴンザレスは、メキシコ日産の社長兼マネージング・ダイレクターに就任しました。
ルノー・日産アライアンスの会長兼CEOのカルロス ゴーンは、「男女平等に向けたアライアンスの取り組みは、世界中から優秀な人財の獲得を促し、アライアンスの事業競争力を向上させます。アライアンスの全職位における男女平等の実現に向けて、重要な段階に来ています。自動車業界における女性管理職比率が最も高い企業のひとつとして誇りに思う一方、私たちには更なる取り組みが必要です。男女平等に向けて引き続き全力で取り組んでいきます」と述べました。
フランスに本社を置くルノーと、日本を本拠地とする日産は、特に管理職における女性従業員比率が昨年度から大きく増加しました。
発表によると、ルノーは、グローバル全体での女性従業員の割合が2015年に18.8%となり、2000年の10%、2014年の18.4%から増加した。グローバルには同社の2000近くに及ぶ重要な職務の内、女性の割合は24.2%となり、2014年の22%から増加した。
またルノーは、エグゼクティブコミッティメンバー12名のうち3名が女性で(2015年は11名中2名)、女性の上級役員の割合においても業界トップレベルとなっているという。
ムナ・セペリはCEOオフィス副社長、マリー=フランソワーズ・ダムザンは人事担当副社長を務めている(ダムザンは人事担当アライアンス副社長も兼務)。また、着任したばかりのクロティルドゥ デルボスは、ルノーの副社長および最高財務責任者及びRCIバンクの取締役会会長を務めている。
日産では、管理職の9.1%を女性が占めている(前年度の8.2%から増加)。これは、従業員1,000名以上を有する日本の製造業の平均値3.7%に比べると高い水準(2015年厚生労働省統計)だと同社は指摘している。
上級管理職に占める女性の割合は7%となり、2008年の2%から3倍以上も増加した。2016年4月時点で、
グローバル全体の管理職の13%を女性が占め、2008年の7%から増加した。日産は、2017年までに、女性管理職の割合をグローバル全体で14%に引き上げることを目標としているという。
そんなルノー・日産アライアンスは2016年、世界各地で様々な表彰を受けたという。
ムナ セペリとマリー=フランソワーズ ダムザンに加え、ルノーのCセグメント担当デザインダイレクターであるアニエタ ダルグレン 、欧州日産の購買担当ジュディス リチャードソンの4名のアライアンス役員が、オートモーティブニュース ヨーロッパが主催する「リーディング ウーマン 2016」を授賞した。
アニエタ ダルグレンは独立法人「Women and Vehicles in Europe (WAVE)」が選ぶ「ウーマン オブ ザ イヤー2016」を授賞。アニエタは、パリモーターショー開幕直前の9月28日に、欧州自動車業界の男女候補者の中からオートモーティブニュース ヨーロッパが主催する「2016ユーロスター」賞も受賞している。
ルノー ブラジルは、女性のエンパワーメントを支援する取り組みが高く評価され、「女性のエンパワーメント原則」から金賞を受賞した。
ルノー スペインは、同社のスペイン国内における男女平等に向けた継続的な支援活動や取り組みが高く評価され、同国の保健・社会サービス・平等省から男女共同参画企業として認定された。
日産は、厚生労働省が定める「プラチナくるみん」企業に認定された。「プラチナくるみん認定」とは、従業員の子育て支援に取り組む企業を認定する認証。自動車メーカーです初の認定だという。。
日産は、職場における女性の活躍支援および推進が評価され、東京証券取引所が選定する「なでしこ銘柄」に4年連続で選定された。
ルノーは、事業展開するほとんどの市場で女性従業員向け社内支援・キャリアネットワーク「Women@renault」を導入。2010年より、女性従業員は個別のメンタリングやコーチングに加え、リーダーシップや影響力を向上させるワークショップやトレーニングなど、人財育成プログラムを活用できるようになっているという。「Women@renault」のソーシャルネットワークには現在4,500名以上が登録しており、男性はその内の23%とのこと。
日産は、店舗の運営や従業員に女性を多く採用した「レディファースト認定店」を国内で拡大しているという。東京郊外の府中にオープンした認定店は、授乳室や広々としたキッズスペースを完備している。「レディファースト認定店」は、2016年9月までに日本国内で272店舗まで拡大した。
日産はまた、女性販売員の割合も増やしている。2016年8月には、日本国内の販売員の9.9%を女性が占め、2015年半ばの8.5%から増加した。日産は女性販売員比率を10%に引き上げることを目指しているとのこと。
(文/麻生雅人、写真/Divulgação)
写真はルノーの最大積載量1トンクラスのピックアップトラック、アラスカン