リオ・オリパラから半年。オリンピック村はゴーストタウン!?

2017年 02月 8日

オリンピック村 リオ

オリンピック村の敷地は118エーカー、総工費は25億レアル(約900億円)。市にとってはオリンピックのレガシーのうち最大のものになる。前市長のパエス氏の任期中に民間企業への売却を試みたが、興味を示す企業は1社もなかった。

クリヴェーラ現市長が市民への開放を開始する際、3月からスポーツ振興省がオリンピック村のメンテナンスを引き継ぐと述べた。9月にはロック・イン・リオの会場として使われる予定だという。

「ロック・イン・リオは私の知る限り、リオで最も大きなイベントです。すでに(ロック・イン・リオのイベント責任者)メヂーナ氏と何度も打ち合わせを行っており、彼をリオ観光の顧問として招きました。イベントが行われることは確実ですが、リオ市としてもイベントを全面的にサポートをします。リオには観光事業が必要で、イベントカレンダーを埋めていく必要があります」(クリヴェーラ市長)

ロックインリオ

市警は徒歩、車両などでオリンピック村近辺のパトロールに当たっているが、侵入するのはとても簡単だ。アクアティックセンターの周りだけは少し厳しくなっていて、「G1」のスタッフが敷地内に入ろうとしたときだけ警備員に止められ、ここは侵入禁止だといわれた。

「変ですよね? この記念公園的な場所にひとけが全くなくて、管理する人がほとんどいないなんて。ちゃんと管理をするために警備員を雇うべきですよ。素晴らしい場所だからひとけが全くないなんて状態にしておくべきではありません」(市民でエンジニアのサミ・ファヤッヂさん)

リオ市は広報担当経由でスポーツ振興省がバーバ・ダ・チジュッカ地区のオリンピック村スポーツ関連施設を管理していくことになると伝えた。当然施設撤去の判断も費用負担もスポーツ振興省が行うとも伝えている。

アリーナ3だけは例外的に市が管理し、市立学校がスポーツ施設として使用するという。市は教員や学校の理事会の助力を得て、今後の設備増強や運営の方針を固めつつあるという。

市はオリンピック村の内部、外側の警備は引き続きリオ市警が行うと伝えている。毎日59人の警備員と車両7台を用いてパトロールを行う。

オリンピック・パラリンピック競技期間中に報道関係者が詰めていた建物はリオ・マイスという建設コンソーシアムが担当していたが、ここはスポーツ設備ではなく私有のため、商業施設として扱われるとのことだ。

(文/原田 侑、写真上/Reprodução/Jornal Nacional/TV Globo、写真下/Alexandre macieira/Riotour)
写真上は、TV Globoの報道番組「ジョルナウ・ナシオナウ」より、オリンピック村。TVグローボ系列の番組はIPCTV(グローボ・インターナショナル)で放送中。視聴の問い合わせは、080-3510-0676 日本語対応ダイヤルまで。写真下は2015年のロック・イン・リオ会場。2017年のロック・イン・リオは9月15日~17日、21日~24日に開催予定