「広島から世界へ -移住の歴史と日系人の暮らし-」展開催中

2017年 03月 7日

JICA横浜移民資料館 広島移民

JICA横浜海外移住資料館では、企画展示「広島から世界へ -移住の歴史と日系人の暮らし-」を今月初旬から開催している。

1885(明治18)年に、第一回移民船「シティ・オブ・トーキョー号」がハワイへ向けて出航して以来、広島からはアメリカ合衆国、カナダ、ペルー、ブラジルなど様々な国にわたり、全国第一位の移民送出県となった。

当時、日本とハワイとの間では、ハワイのサトウキビ産業の労働者を送り出すという契約を結んでいたという。広島市によると、この官約移民制度では1894年(明治27年)6月までに日本政府主導で、26回にわたり日本全国から約3万人が移民として送り出されたとのこと。このうち広島県から送り出されたのが約1万人で全体の38.2%、県別でみると最も多い数字だった。

官約移民の契約終了後は移民会社のあっせんで移民事業が続けられたが、ハワイがアメリカ合衆国に合併されたのを機に1900年(明治33年)に契約移民が禁止され、以降、移民の受け入れ先がアメリカ合衆国、そしてブラジルへと移り変わっていった。

現在でも、ハワイやアメリカ大陸には28の広島県人会が存在し(2016年8月現在)、母県との交流を進めているという。

企画展「広島から世界へ -移住の歴史と日系人の暮らし-」では、2015年に広島県立文書館で開催された特別展示「広島から世界へ -移住者の歴史と現在-」をベースとして、その歴史とともに日系人の暮らしの様子を、標本資料や写真を使って紹介している。

会場:JICA横浜海外移住資料館 企画展示室
神奈川県横浜市中区新港2-3-1
Tel: 045-663-3257

http://www.jomm.jp/events/index.html#handa

開催期間は2017年3月4日(土)~2017年5月28日(日)
入場料:無料
開館時間:10:00~18:00(最終入館17:30)
月曜休館 月曜が休日の場合は翌火曜休館

(文/麻生雅人、写真提供/JICA横浜海外移住資料館)