サンパウロで、フードトラックならぬ獣医トラックが繁盛

2018年 01月 16日

獣医トラック

ここ数年、交通渋滞による逸失利益が地域経済の重しになっているブラジルの大都市圏。

人口の規模に鉄道等の公共交通網整備が伴わないサンパウロなどの大都市では、日々の買い物すら自家用車になるが、その時間を惜しむ消費者向けに様々なサービスが起こりつつある。

デリバリーだけでなく、数年前から流行している食品移動販売(フードトラック)もその一種だが、移動販売するのは食べ物だけではなくなってきている。

TVグローボが12月31日、経済情報番組「ペケーナス・エンプレーザズ・イ・グランヂス・ネゴーシオス」で伝えたところによると、サンパウロ市で獣医師が始めた移動ペットサロンが話題を呼んでいるという。

このサービスを営んでいるのはサンパウロ市内に住む獣医師、ブルーナ・ロペスさん。移動サロンだけでなく市内に実店舗も構えているが、2018年には移動サービスをフランチャイズ化する予定だ。

ブルーナさんが移動サービスを始めたのは2016年。借り入れと自分の車を売った資金20万レアル(約685万円)を投資し、バンを改造した移動サロンを購入した。

「発電機、電灯、給水タンク、給湯設備などサービスに必要なものは一通り備え付けました」(ブルーナさん)

車の中では13種類の動物のシャンプーができるという。サービス開始の情報はペット愛好家の間で一気に広まり、開業した最初の月から移動サロンは予約でいっぱいになった。

移動サロンでは1日平均14匹のペットを受け入れる。実店舗では1日30匹に対応している。

ブルーナさんによると、移動サロンの月々の維持費は500レアル(約17,000円)で売上は月17,000レアル(約58万円)、実店舗の従業員給与を除く費用は月9,000レアル(約31万円)で売上は月43,000レアル(約148万円)とのことだ。

ペット関連サービスは2017年、ブラジルで大きく成長した産業分野の一つ。番組ではペットに対するサービスは今後最も成長余力のある市場の一つとみている。

日本に勝るとも劣らない、街ゆく人のペット溺愛ぶりを見るとこの市場の将来は明るいと感じる。またブラジル特有の現象として、飼い主自身の美を追究する姿勢が愛するペットに対しても貫かれるであろう点が、この市場の成長余力に力強さを与えている。

ビッショ・ヂ・ペッチ(Bicho de Pet)
住所:Rua Dep. Laerte Corte, 601 – Posto 10 Panamby – Paraíso do Morumbi
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電話:(11) 4306-3474
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(文/原田 侑、写真/Reprodução/Pequenas Empresas Grandes Negócios/TV Globo)
写真は「ペケーナス・エンプレーザズ・イ・グランヂス・ネゴーシオス」より。TVグローボ系列の番組はIPCTV(グローボ・インターナショナル)で放送中。視聴の問い合わせは、080-3510-0676 日本語対応ダイヤルまで)