ルーラ元大統領二審有罪判決後、ブラジル株式指数は最高値更新

2018年 01月 29日

ルーラ元大統領 二審 有罪

2017年第4四半期からブラジル株式市場の活況が際立ってきている。

特に2018年に入ってからは顕著で、ブラジルの株式指数Ibovespaは終値ベースで1か月弱で約10%上昇し、連日最高値を更新し続けている。

ブラジルは現在国会が休会中で市場が楽観的・強気に動く時期ではあるものの、上昇の度合い、上昇基調を後押しする要因について現地各メディアが分析をしている。

グローボ系ニュースサイト「G1」が1月26日づけで伝えたところによると、同日Ibovespaの終値が節目である85,000ポイントを超えたという。

1月26日は終値ベースで前日比2.21%の上昇を記録した。前日25日はサンパウロの祝日で休場だったが、24日も1日で3.72%上昇して引けた。

24日の株価上昇は同日、連邦裁判所が下した、ルーラ元大統領の収賄容疑に対する有罪の二審判決が影響しているとみられる。

法廷の判事は3対0で元大統領に対する一審の有罪判決を支持した。

二審判決に不服のルーラ元大統領が上告する可能性はあるものの、2018年大統領選への出馬に影響すると見られている。

ルーラ元大統領のポピュリズム志向がブラジル経済・財政に及ぼす悪影響を懸念する投資家にとって、二審での有罪は好材料となったようだ。

判決の翌日25日、米国の株式市場に上場しているブラジル企業株式(ADR)の株価は力強い上昇をみせた。

一方、外国為替相場ではドル安が進行し、ドルは1ドル3.1402レアルと2017年10月以来の安値を付けた。

ブラジル市場の活況は世界の株式市場の活況と連動したものではあるが、ルーラ元大統領の控訴、社会保障制度改革法案採決、贈収賄捜査進展による政治的混乱、総選挙など市場のボラティリティを大きく左右する政治イベントがある点には留意したい。

(文/原田 侑、写真/Sylvio Sirangelo/TRF-4)
写真は1月24日、リオグランジドスウ州ポルトアレグリ市第4地域裁。同裁判所は贈収賄や資金洗浄などの罪に問われていたルーラ元大統領の二審判決で、一審判決通り有罪を認めた