ゲーム開発サービス企業Side(旧PTW)がサンパウロに新拠点をオープン
2025年 05月 28日
ゲーム開発・ゲームサービスに特化したグローバル企業Side(旧PTW International)が、5月26日(月)、ゲーム業界が盛り上がるブラジルのサンパウロに新しいスタジオを開設したと発表した。
1994年に日本で創業したSideは、現在では世界14カ国に20以上のスタジオを運営している。ブラジルに進出したのは2024年。
新スタジオが設置されたのはサンパウロ市ブタンタン地区で、テクノロジー業界やゲーム業界でキャリアをスタートまたは成長させたいと考えるブラジル人に新たな選択肢を提供する。この拠点のオープンにより、今後12か月で南米におけるスタッフ数を2倍以上に拡大することが可能となるという。
今後数か月にわたって大規模な採用活動を行い、サンパウロでQA(品質保証)、アート、共同開発のサービスにおける100人以上の新規雇用を予定しているとのこと。
ゲーム業界の成長が目立つブラジルは日本との関係が親密な国でもあり、日本のゲーム業界への関心も高い。2024年10月にサンパウロ市で開催された南米最大級のゲーム展示会「第15回 Brasil Game Show」には約30万人が来場。400以上のブースが出展する中、日本からもセガ、任天堂、SNK、アークシステムワークス、ポケットペア、日清食品の6社が出展した。
日本貿易振興機構(JETRO)の報告によると、現地のコンテンツ事業者が、「東京リベンジャーズ」、「鬼滅の刃」、「ONE PIECE」、「ドラゴンボール」など日本のアニメキャラクターグッズを販売する例もみられたという。
ブラジルゲーム開発者協会(Abragames)が2024年に公表したデータによると、2023年の時点で国内のゲーム開発事業者は1,042社で、2018年の375社と比べ約2.8倍増、2014年の133社と比べると約7.8倍増となっている。2020年から2022年にかけて2,600本以上の自社ゲームがリリースされ、2022年だけでも1,009本がリリースされている。
また、南米最大のゲーム市場を持つブラジルは推定1億300万人のゲーマーを抱え、世界第5位のオンライン人口を擁すると考えられているという。
2022年のモバイル市場は収益の49%を占め、PCが26%、コンソールが25%を占めた。2023年の調査では、ゲーマーの男女比は53.8%が男性、46.2%が女性だった。
ブラジルのゲーム産業の活性化は、政府による後押しも貢献しているようだ。2024年5月にはルイス・イナーシオ・ルーラ・ダ・シウヴァ大統領により、税制優遇措置や児童・青少年の保護などを含む「ゲーム法的枠組み」法が承認された。
法案の承認を受け、リオデジャネイロ州デジタルゲーム開発者協会のマルシオ・フィーリョ代表は「この措置により、業界は投資と機会の増大を期待しています。今後3年間で、本分野への民間投資は年間2億レアルから3億レアルに達し、今後10年間でこの分野の従業員総数は2~3倍に増加すると見込まれています。ひいては、ブラジルが世界の生産サイクルにおいて、より重要な地位を占める機会が創出されるでしょう」と述べていた。
(文/麻生雅人)