トランプ大統領、ボウソナーロ前大統領などを引用して課税を正当化
2025年 07月 31日
ブラジル政府によるデジタルプラットフォームへの対応措置、ジャイール・ボウソナーロ前大統領の裁判、そして連邦最高裁判所(STF)のアレシャンドリ・ジ・モラエス判事による決定が、米国がブラジルに課した関税の根拠として挙げられた。
7月30日(水)午後、ドナルド・トランプ米国大統領は、ブラジル製品の輸入関税を50%に引き上げる大統領令(OE)に署名した。この関税は7日後となる8月6日から施行される。ただし、航空機、鉱物、オレンジジュースなどの製品は課税対象から除外された。
「ブラジル政府による米国への脅威への対処」と題された文書の中で、トランプ大統領は、ブラジルに対する措置を、ジャイール・ボウソナーロ前大統領への扱いに対する報復として正当化している。
米国大統領は、ボウソナーロ氏に対する連邦最高裁判所(STF)の裁判に言及し、「ボウソナーロ氏が根拠のない刑事告発によって裁かれるべきだという誤った判断を下した」と、同裁判所を批判している。
「捏造された訴訟による政治的迫害は、ブラジルの政治・行政・経済機関の秩序ある発展を脅かし、2026年の自由かつ公正な大統領選挙の実施能力をも損なっている。ブラジル政府によるボウソナーロ前大統領への扱いは、同国における法の支配の意図的な崩壊、政治的動機による威圧、そして人権侵害の助長にもつながっている」と文書は述べている。
米国政府の文書では、アレシャンドリ・ジ・モラエス判事が「政治的対立者を攻撃し、腐敗した同盟者を保護し、反対意見を抑圧するために、しばしば他のブラジル当局と連携して司法権限を乱用した」と非難されている。トランプ氏は、モラエス判事がパスポートを押収し、裁判なしで人々を拘束し、「違法な検閲要求」に従わなかった企業に対して罰金を科したと主張している。
「これらの行為は、米国における表現の自由を制限・抑圧し、人権を侵害するとともに、米国が国内外で自国民および企業を保護するという利益を損なうものである」と記されている。
トランプ氏はさらに、ブラジル当局が米国のオンラインプラットフォームに対して、米国市民のアカウントやコンテンツを検閲するよう命じ、加えて投稿監視の方針を変更するよう強制したとも主張している。
ブラジルでは現在、ネット上で流通する児童ポルノや学校での暴力を賛美する投稿、さらにはクーデター擁護に至るまでの犯罪的コンテンツに対するプラットフォームの責任が議論されている。
最近、連邦最高裁判所(STF)は、プラットフォームがこうした違法コンテンツに対して責任を負うべきだと判断している。
(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)