ボウソナーロ前大統領がトランプ米大統領の弁護士に助言求めていた音声データ、見つかる

2025年 08月 22日

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ジャイール・ボウソナーロ前大統領(写真/Lula Marques/Agência Brasil)

ジャイール・ボウソナーロ・ブラジル前大統領は、ブラジルの輸出品に対して課された関税爆弾について発言するため、ドナルド・トランプ米大統領に近いマーティン・ルカ弁護士に助言を求めた。ルカ氏はアメリカ合衆国において、(トランプ陣営と親密な)プラットフォーム「ランブル」および「トランプメディア」の代理人を務めている。

この会話は、連邦警察(PF)がボウソナーロ前大統領とその息子であるエドゥアルド・ボウソナーロ連邦下院議員を、アメリカ合衆国による一連の制裁に関する操作で起訴した報告書に含まれている。捜査の過程で、前大統領の携帯電話は捜査官によって押収されていた。

捜査によって入手された会話の中でボウソナーロ前大統領はSNSに投稿するための声明文について助言を求めていた。

「マーティン、君にも助言をお願いしたい。すまないね、申し訳ないが、どう進めていけばいいか教えてほしい。私は声明文を作成した。君に送っていると思うけど、届いていますか? 4つの短い段落にわかれていて、いい感じで、トランプを讃えていて、自由に関する問題は、経済に関する問題よりはるかに重要だと述べている。私に対する迫害についても。これにはえらく苦しめられている。(だから)トランプに関しては私はとても嬉しかった。彼に非常に感謝している。私が、ここで発信できるような、君の立場からの短い声明文を、私に助言してほしい。私のSNSにそれを投稿して、君たちのもとにも届くようにしたい。感謝する。それでは、マーティン」と、ボウソナーロ氏は音声メッセージで語っている。

この会話を分析した結果、連邦警察(PF)はボウソナーロ前大統領が「外国勢力の利益に従属する形」で行動していると結論づけた。

「ジャイール・ボルソナロ氏のものと認定された音声は、元大統領が、外国勢力の利益に従属する形で行動していることを示している。これは、国家の利益と乖離した要求に事前に同調する形でなされており、特に司法権を頂点とする機関に対する威圧的な行為を通じて、憲法上の権力の独立性および国家主権を損なう方向に向けられている」と報告書は述べている。

ボウソナーロ氏の弁護団は、今回の起訴に驚きを示し、昨日アレシャンドリ・ジ・モラエス判事から求められた説明を必ず行うと保証した。

一方、SNS上で、マーティン・ルカ弁護士はモラエス判事を批判し、自身は法的および広報面での助言を行っていると述べた。

「この(連邦警察の)論理によれば、弁護士に相談する政治家は誰でも民主主義を転覆しようとしていることになる」とルカ氏は述べた。

(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)