ボウソナーロ前大統領、2060年まで被選挙権失効か

2025年 09月 13日

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27年3か月の実刑判決を受けたジャイール・ボウソナーロ前大統領(写真/Tânia Rêgo/Agência Brasil)

ジャイール・ボウソナーロ前大統領は、クーデター計画に関する刑事訴訟で有罪判決を受けたことにより、今後35年間にわたって被選挙権を失う可能性がある。

現行の「クリーンカード法」(Lei da Ficha Limpa)では、複数の裁判官により有罪の判決を受けた者は、刑期の終了後8年間、選挙への立候補が禁止される。

9月11日(木)、連邦最高裁判所(STF)の第一部は、ボウソナーロ前大統領に対し、武装犯罪組織の結成、民主国家体制の暴力的による打倒の試み、クーデター、暴力と重大な脅迫による加重損害、文化財の破損といった罪で、27年3か月の懲役刑を言い渡した(判決は4対1で決定)。

この判決により、ボウソナーロ氏(現在70歳)は105歳となる2060年まで被選挙権を失うことになる。

2022年7月、ジャイール・ボウソナーロはアウヴォラーダ宮において各国の(駐ブラジル)大使らとの会合を開き、その場で電子投票制度を攻撃する内容の主張を行ったことで、政治的、経済的権力の乱用とみなされ、選挙高等裁判所(TSE)によって2030年までの被選挙権停止処分を受けている。

この出来事(各国の外交官を前にしての電子投票制度の信頼を損なう主張を行ったこと)も、クーデター未遂に関する刑事訴訟の一部として組み込まれており、報告官によって「実行行為」の一つとして言及されている。

<「クリーンカード法」(Lei da Ficha Limpa)の改正>

先週、上院議会は「クリーンカード法」(Lei da Ficha Limpa)の改正案を承認し、被選挙権停止期間の短縮を決定した。

この新しい規定は法案 PLP 192/2023 に盛り込まれており、すでに大統領府(パラナルト宮)に送付され、大統領による署名(または拒否)を待っている。

もしこの法案がルイス・イナーシオ・ルーラ・ダ・シウヴァ大統領によって署名されれば、新法では、停止期間の8年は、有罪判決が下された日(2025年9月11日)から起算されることになったため、ジャイール・ボウソナーロ氏の被選挙権停止期間は2033年に終了する可能性がある。

現在の状況では、ジャイール・ボウソナーロ氏が再び選挙に立候補できるようになるためには、クーデター未遂に関する有罪判決を恩赦する法律が、議会で承認される必要がある。

そのため、ボウソナーロ支持派の議員たちは、ウーゴ・モッタ下院議長に対して、恩赦法案を議題に上げるよう働きかける動きを来週から開始する予定となっている。

(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)]