ルーラ大統領、トランプ政権外交姿勢を「力の理論」だと批判

2025年 12月 12日

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ルイス・イナーシオ・ルーラ・ダ・シウヴァ・ブラジル連邦共和国大統領(写真/ Marcelo Camargo/Agência Brasil)

アメリカ合衆国とベネズエラの間で緊張が高まる中、ブラジルのルイス・イナーシオ・ルーラ・ダ・シウヴァ大統領は12月11日(木)、米国政府の外交姿勢を「一方主義」だと批判して、それを「力の論理」だと位置づけた。

「トランプ大統領が望む一方主義とは、強者が他者に何をすべきかを決めるというものだ。常に力の論理なのです」とルラ氏は嘆いた。

今月初め、米国政府がブラジル産品に課している追加関税の撤廃交渉についてトランプ大統領と電話で協議したルーラ大統領は、ミナスジェライス州ベロオリゾンチ市で行われた「連邦キャラバン」開始式の演説の終盤で、「米国大統領と多くを話した」と述べ、加えて、ベネズエラ情勢への不満も表明した。

「私はトランプ氏に、我々はラテンアメリカで戦争を望んでいないと伝えました。我々は平和の地域なのです」(ルイス・イナーシオ・ルーラ・ダ・シウヴァ大統領)

ルーラ大統領によると、トランプ氏は(電話会談で)米国の軍事力について言及したという。しかしルーラ氏は「武器の力よりも言葉の力を信じる」と述べ、外交的手段による解決を訴えた。

「説得のために言葉を使い、正しいことを実行する。外交的に言葉こそが問題解決の最も強力な手段だと我々は信じます」(ルイス・イナーシオ・ルーラ・ダ・シウヴァ大統領)

一方、ベネズエラ政府は10日(水)、米軍による同国タンカーの拿捕を「露骨な強奪」であり「海賊行為」だと非難した。

米国は約110万バレルの原油を積んだタンカーを公海上で押収した。ニコラス・マドゥロ政権は声明で「わが国に対する攻撃政策は、我々のエネルギー資源を略奪するための計画的な行為だ」と強調した。

(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)