サンパウロ州大都市圏で130万戸以上が停電

2025年 12月 12日

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12月10日、サンパウロ市ヴィラ・マリアーナ地区パウラ・ネイ通りの倒木(写真/Paulo Pinto/Agência Brasil)

サンパウロ大都市圏で、電力会社エネウの契約者130万戸以上が停電したまま、木曜(12月11日)午後7時時点でも復旧していない。午後1時時点と同じ規模である。

東部モエマ地区などの住民が電話で問い合わせたところ、復旧は土曜(13日)になる見通しだという。

停電のうち約90万4千戸はサンパウロ市内。エネウは特設ページで、30万件は強風の影響が続いているため本日新たに対応要請があったケースだと説明している。

同社は「被害が完全に解決するまで技術チームは作業を止めない」と顧客に通知。復旧が長引く一部のケースについては「より複雑な事象で修理に時間を要する」と強調している。

電力供給の問題は水曜(10日)に悪化し、市内ではインターネット接続の不安定や不通も報告されている。

停電は、サイクロンによる強風(時速140キロ=最大瞬間風速約38.9メートル)が原因とされている。ブラジル国立気象研究所(Inmet)によよると、このサイクロンはブラジル南部、パラグアイ、アルゼンチン、ウルグアイの間で形成され、同地域および南東部に影響を及ぼした。火曜(9日)にはアヴァレー市で時速140キロ(最大瞬間風速約38.9メートル)の強風が観測された。

サンパウロ市気象緊急管理センター(CGE)によると、今夜11日には風が弱まる見通しだ。空は曇りがちとなり、雨は降らない見込みで、暑さの感覚は続く。最低気温は19℃に達する可能性があり、相対湿度は40%前後で推移し、上昇傾向にある。12月の降水量はこれまでに70.7ミリで、平年値184.2ミリの38.4%にとどまっている。

強風はサンパウロ大都市圏の主要2空港にも影響を及ぼした。コンゴーニャス空港を運営するアエナ社は、11日、66便の到着と51便の出発がキャンセルされたと発表。グアルーリョス空港を運営するGRUエアポート社も、72便の欠航と28便の他空港への迂回を確認した。

停電はまた、サンパウロ州民の水道供給にも影響を与えた。サンパウロ州上下水道公社(SABESP)は声明で、電力不足により一部住宅への送水ができないと説明。「影響地域に隣接する地区も被害を受けている。停止した貯水槽や送水ポンプは周辺の複数地域をカバーしているためだ」としている。

さらに同社は「送水が再開されれば水は管を通じて各家庭や建物の水槽に流れ込み、徐々に補給される。停止時間が長くなるほど需要が高まり、供給システムの回復に影響する」と強調した。

(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)