サンパウロ州エンブー・グアスー市で大規模停電
2025年 12月 14日

サンパウロ州大都市圏にあるエンブー・グアスー市では、強い雨と温帯性低気(エクストラトロピカル・サイクロン)による暴風の影響で、依然として多数の住民が停電に苦しんでいる。電力供給を担うエネウ社(Enel)によると、12月13日(土)午後の時点で市内住民の61%が電気のない状態に置かれているという。
同市では12月10日(水)、約6万7千人の全住民が停電に見舞われた。翌11日には復旧が進み、停電世帯は17%にまで減少したが、13日になって再び増加し、エンブー・グアスー市は大都市圏で最も深刻な影響を受ける自治体となった。
エネウはアジェンシア・ブラジルの取材に対し、停電世帯が再び増加した理由について「復旧作業の安全確保のため、一部地域で送電網を停止する必要があった」と説明。「送電網の再構築にあたり、作業員の安全を守るために一時的な遮断を行う場合がある」との声明を発表した。
一方、市当局は11日(木)、公式SNSを通じて電力会社への不満を表明した。
「エンブー・グアスーは現在、受け入れがたい状況に直面している。強風被害から三日が経過したにもかかわらず、なお78.16%の世帯が停電している」とし、家庭生活や商業活動、公共サービス、さらには医療機器に依存する住民の生命に直結する問題であると強調した。
さらに市の声明は次のように続いている。
「我々は、発生した事象に関する明確な技術的説明、期限・人員・責任を伴う行動計画、そして影響を受けた地区の完全な更新情報を求める。復旧の遅れは合理的でも正当化可能でもなく、受け入れられない。電力供給は恩恵ではなく、法律で保証された契約上の義務である」
(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)




