ルーラ大統領が、2025年を総括。「ブラジル国民こそ勝者」
2025年 12月 26日

ブラジル連邦共和国のルイス・イナーシオ・ルーラ・ダ・シウヴァ大統領は12月24日(水)、国営ラジオ・テレビ網を通じて全国向けに演説を行い、年末の挨拶とともに、今年の政府の取り組みと2026年に向けた課題について総括した。
大統領は「31日の夜、花火が空に輝くとき、ブラジルにとって歴史的な一年が幕を閉じます。多くの難題を突き付けられ、困難な年でしたが、ブラジルに不利益になるよう願った者、あるいは計った者たちは最後には敗北を喫しました。大いなる勝者としてこの一年を終えるのは、ブラジルの国民みなさんです」と強調した。
ルーラ大統領は、今年の成果として、ブラジルが「飢餓マップ」から脱したこと、「ボウサ・ファミリア(条件付き現金給付制度)」の再開、家族農業の強化、最低賃金の引き上げなどを挙げた。
また、「雇用創出と学校給食に大きく投資した」と述べ、月収5,000レアルまでの所得税免除の実現を「大きな勝利」と位置づけた。
「数百万のブラジル人にとって、今年の最終日は給与から所得税が差し引かれる最後の日となります。1月からは所得税がなくなり、毎月、家計に余裕が生まれます。これは家計の負担を軽減し、経済をさらに活性化させ、国全体に恩恵をもたらすでしょう」(ルイス・イナーシオ・ルーラ・ダ・シウヴァ大統領)
医療分野では、ルーラ大統領は今年開始された「アゴーラ・テン・エスペシャリスタス(専門医アクセス拡充プログラム)」計画に言及した。同計画は、統一保健医療制度(SUS)における診察、検査、手術の待機時間を短縮することを目的としている。演説では、このほか「ペ・ジ・メイア(低所得高校生のための貯蓄支援制度)」「ガス・ド・ポーヴォ(低所得家庭のためのガス代補助制度)」「ルース・ド・ポーヴォ(低所得家庭のための電気料金補助制度)」などの社会プログラムも取り上げられた。
大統領は「トランスポジサォン・ド・ヒオ・サンフランシスコ(サンフランシスコ川の水系転換事業)」や、新PAC(成長加速計画)関連の工事にも言及し、住宅政策の重要性も強調した。
「『ミーニャ・カーザ、ミーニャ・ヴィーダ(低所得層のための住宅支援制度)』 が復活し、中間層にも届くようになりました。さらに『へフォルマ・カーザ・ブラジル(低所得家庭のための住宅改修支援制度)』 も始まろうとしています。 尊厳ある住まいは、保障されるべき基本的権利です」(ルイス・イナーシオ・ルーラ・ダ・シウヴァ大統領)
経済面では、今年が「史上最低の失業率」で終わること、正式雇用が過去最多となったこと、労働者の平均所得が記録的水準に達したことを挙げた。
「そして、累積インフレ率は史上最低となる見通しです。こうした前進のおかげで、貧困と不平等の指標は歴史上最も低い水準にあります。今年だけで、収入が改善したことでボウサ・ファミリアを離脱した人が200万人に達しています」(ルイス・イナーシオ・ルーラ・ダ・シウヴァ大統領)
また、大統領はブラジルの新しい運転免許証にも触れ、運転免許の取得費用が最大80%安くなり、より多くの人がアクセスしやすくなるとの見通しを示した。
課題
2026年に向けた課題として、ルーラ大統領は犯罪と暴力を挙げた。大統領は連邦警察が実施した組織犯罪対策の作戦を称賛し、(組織の)上層部にも初めて手が及んだ」と述べた。
「いかなる金や影響力も、連邦警察の前進を妨げることはできません」と語った大統領は、女性に対する暴力についても言及した。
「私は省庁、各機関、そしてブラジル社会全体を巻き込む大規模な国家的取り組みを主導します。私たち男性は魂のレベルで誓いを立てなければなりません。人としの根源的な倫理に基づき、(女性の)尊厳を守る側に立ってください」(ルイス・イナーシオ・ルーラ・ダ・シウヴァ大統領)
国際分野では、ルーラ大統領は、ブラジルが再び世界から尊敬と評価を得る国になったと強調した。世界最大の気候関連イベントCOP30が開催された今年、約900万人の外国人観光客がパラー州ベレンを訪れたという。
「COP30は成功し、この世紀で最も重要なテーマにおけるブラジルの世界的リーダーとしての地位を確固たるものにしました。しかし私たちは前例のない課題、ブラジルへの“関税爆弾”にも直面しました。しかし私たちはブラジルにも世界にも、対話と友愛を重んじ、闘いから逃げない国であることを示しました」と述べた。
大統領は、外交と企業保護策によって解雇を回避する取り組みを進めたと説明した。
「私たちは関税爆弾の終結についての交渉を続け、12月にはブラジル産品に対して新たに開かれた市場が500を超えました。主権も民主主義も勝利し、ブラジル国民が勝利したのです」(ルイス・イナーシオ・ルーラ・ダ・シウヴァ大統領)
<6日勤務1日休み(6×1勤務制)廃止について>
演説の締めくくりでルーラ大統領は、「少数の特権をなくし、多くの人の権利を守り続けます」と述べた。
「6日間も厳しい労働を強いられ、たった1日しか身体と心を休める時間がないというのは不公平です。家族と過ごし、家のことをし、楽しみ、子どもの成長を間近で見守る時間が必要です」(ルイス・イナーシオ・ルーラ・ダ・シウヴァ大統領)
さらに大統領は続けた。
「給与を減らすことなく6×1勤務制を終わらせることは、国民の要求です。私たち、国民の代表が耳を傾け、それを現実にしなければならないのです」
(ルイス・イナーシオ・ルーラ・ダ・シウヴァ大統領)
(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)




