フラメンゴがフィリペ・ルイス監督の契約延長を発表

2025年 12月 30日

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写真は12月16日、カタールのドーハでPSGとの対戦を控え会見に臨んだフェリペ・ルイス監督(写真/ Gilvan de Souza/Flamengo)

長い交渉劇の末、フラメンゴはフィリペ・ルイス監督およびコーチングスタッフと合意に達し、契約延長が合意されたと12月30日(月)朝に発表した。現行契約の満了まで残り3日というタイミングだった。現地メディア「グローボ・エスポルチ」が伝えている。

監督には給与面での昇給が提示され、新契約は2027年末までの2年契約となるとのこと。クラブはSNSで「物語は止まらない。彼は2027年まで指揮を執る!」と発表した。

フィリペ・ルイス監督は、2024年10月に解任されたチッチ前監督の後任としてフラメンゴの指揮を執って以来、同じ給与水準のままだったが、その額はブラジル全国選手権(セリエA)の全監督の中で最も低かったという。新契約では大幅な昇給が見込まれるものの、国内最高額にはならない見通しだと「グローボ・エスポルチ」は報じている。

交渉は今年前半から続いていたが、やはり障壁は金額だった。契約満了の日が近づいていたここ数日は、合意点を探るために集中的な協議が重ねられていたという。週末には交渉決裂寸前までいったが、日曜夜に最終的な回答が届き、クラブは月曜朝に契約延長を正式発表する運びとなった。

フラメンゴは条件を引き上げ、フィリペ・ルイス側の要求に近い水準まで歩み寄った。ボーナスや契約解除金(違約金)も、クラブが柔軟姿勢を示した項目のひとつだったとのこと。

フィリペ・ルイス監督は将来的に欧州で指揮を執りたいという希望があることから、契約解除金は交渉の重要な要素となっていたと「グローボ・エスポルチ」は指摘している。ただし同紙は、欧州サッカーがシーズン途中で移籍市場が活発でないことに加え、UEFAが求める指導者資格をまだ取得していないため、フェリペ監督自身も、現時点での移籍は最適ではないと判断していると伝えている。

最終的にはフィリペ監督側も譲歩して、クラブ側の提示したパッケージ条件を受け入れる形となった。このパッケージには、スペイン人コーチのイバン・パランコとフィジカルコーチのジオゴ・リニャレス、両アシスタントの報酬も含まれているという。

フェリペ監督は、ブラジル全国選手権(ブラジレイラォン)とリベルタドーリス制覇、さらにインターコンチネンタルカップでの好成績によって評価を大きく高めてシーズンを終えていたことに加え、2026年シーズンの計画にもすでに深く関わっていあたため、双方にとって「継続」が最も望ましい選択肢だったと「グローボ・エスポルチ」は評している。

フィリペ監督の契約延長交渉がまとまり、フラメンゴはトップチームの再集合日を決定した。

コーチングスタッフと選手たちは、1月12日にニーニョ・ド・ウルブー(クラブ練習場)で始動して、その2日後にはフラメンゴは、2026年シーズンの初戦として、カンピオナート・カリオカでバングーと対戦する。州選手権の序盤戦は、クリスマス前に再集合してトレーニングを開始していた下部組織出身選手を中心に臨む予定だという。

シーズン序盤の最大の焦点はスーペルコパ・ド・ブラジルで、決勝は1月24日にコリンチャンスと対戦する。開催地は未定。指揮官フィリペ・ルイスは、フラメンゴで6度目のタイトル獲得を目指すことになる。

(文/麻生雅人)