ルーラ大統領とウルズラ氏、メルコスール—EU協定は「すべての関係者に利益をもたらす」と強調

2026年 01月 17日

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1月16日、リオデジャネイロ、ブラジル。ルイス・イナーシオ・ルーラ・ダ・シウヴァ大統領と欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長が、メルコスール—欧州連合(EU)協定の署名を前に、イタマラチー宮(外務省)で会談に臨んだ(写真/Ricardo Stuckert/PR)

南米南部共同市場(メルコスール)と欧州連合(EU)との間で進められている通商協定の実施は、不平等の縮小と繁栄の実現を展望するものとなるーー。こうした期待を、ルイス・イナーシオ・ルーラ・ダ・シウヴァ大統領と欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長が、1月16日(金)にリオデジャネイロで共有した。

両者は、リオ市内にあるブラジル外務省で会談し、両ブロック間の協定について協議した。この協定が発効すれば、約7億2,000万人が暮らす、世界最大級の自由貿易圏が形成されることになる。EU側による協定承認は、25年以上に及ぶ交渉を経て、先週発表されたばかりだ。

ルーラ大統領は、「自由化や市場開放は、持続可能な発展を促し、不平等を縮小することができる場合にのみ意味を持つ」と強調し、貿易と投資が新たな雇用と機会を生み出すと指摘。「政治対話と協力によって、労働者の権利尊重や環境保全に関する高い基準が確保される」とも述べた。

ルーラ大統領はさらに、環境保護、気候変動への取り組み、ジェンダー平等、先住民族や労働者の権利といった分野でのブラジルのコミットメントを改めて表明した。

ルーラ大統領は、これまでとは異なり、ブラジルは欧州連合(EU)に対して、特に農畜産物などのコモディティ供給にとどまるつもりはないと述べた。

「私たちは、永遠にコモディティ輸出国という役割に甘んじるつもりはありません。より高い付加価値を持つ工業製品を生産し、輸出していきたいのです」と語り、今回の協定には欧州企業によるメルコスール域内への投資を促す仕組みが盛り込まれており、エネルギー転換やデジタル通信といった戦略的なバリューチェーンも対象に含まれると強調した。

欧州連合(EU)行政府の長であるウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、両ブロックのすべての関係者が新たな雇用によって恩恵を受け、双方の企業セクターに多くの機会が生まれるだろうと述べた。

「私たちの地域と人々にとって、最良の時がこれから訪れるのはこれからなのだと、確信しています」と、演説の冒頭で語った。

「このようにして、真の繁栄――つまり共有される繁栄――が生まれるのです。国際貿易はゼロサムゲームではない、という点で私たちは一致しています」と強調した。

ウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、協定の署名が 17日(土)にパラグアイで正式に行われる予定であり、これは今後訪れる非常に大きな前進の“第一歩”にすぎない と述べた。

「私たちの物語が真に成功したと言えるのは、企業がこの協定の恩恵を実際に感じ始めたときです。それは早い段階で起こるはずです」と語った。

さらに彼女は、この協定によって 明確で予見可能なルールのもと、機会が飛躍的に拡大し、供給網や基準が「投資につながる“高速道路”」として機能する ようになると強調した。

ウルズラ委員長は、「今回まとまったこの協定は、まさに一世代分の努力の結晶です」と述べ、協定の実現に向けたルーラ大統領の尽力に謝意を示した。

さらに、「ここ数週間、数カ月にわたり、大統領が示してきた政治的リーダーシップ、個人的な献身、そして情熱は、実に並外れたものでした」と述べ、交渉過程でのブラジル大統領の指導力を称賛した。

(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)