メルコスールとEUの首脳が協定に署名。各国首脳の見解は

2026年 01月 19日

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1月17日、パラグアイ、アスンシオン。EUとメルコスールの首脳らが協定に署名した(写真/@Mercosul)

南米と欧州の当局関係者たちは、今週土曜日(1月17日)にパラグアイで行われた南米南部共同市場(メルコスール)と欧州連合(EU)の自由貿易協定署名式を機に、多国間主義と自由貿易こそが経済発展の原動力であると強調した。

欧州理事会のアントニオ・コスタ議長は式典での演説で、26年にわたり交渉が続けられてきたこの協定の署名は、両地域ブロックの加盟国が「公正な貿易」と「多国間主義」への信念を改めて示すものだと述べた。

「この協定によって、私たちは世界に対し、ルールに基づく自由貿易を擁護し、多国間主義と国際法を国家・地域間関係の基盤とするという明確なメッセージを送ることになります」(アントニオ・コスタ議長)

コスタ議長は、協定の妥結までに時間はかかったものの、「今こそが適切な時期に到達した」と述べた。

「この協定は、孤立化や貿易を地政学的な武器として利用する動きに対抗し、開放性、交流、協力を重視するという私たちの選択を示すものです。私たちは影響圏をつくろうとしているのではなく、信頼と協力、そして民主主義と主権の尊重に基づく“共有の繁栄圏”を築こうとしているのです。支配することも、押しつけることも望んでいません。むしろ、市民や企業同士の結びつきを促進し強化することで、環境と環境権を守りながら、持続可能な形で繁栄を築いていきたいのです」と語った。

欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長は、今回の合意には大陸同士を結びつけ、7億人規模の市場を擁する世界最大の自由貿易圏を生み出す潜在力があると述べ、コスタ議長に同調した。

「私たちは関税ではなく、公正な貿易を選びました。孤立ではなく、長期的なパートナーシップを選んだのです」(ウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長)

式典のホストを務めたパラグアイのサンティアゴ・ペーニャ大統領は、26年に及ぶ行き詰まりを乗り越えるために必要だった外交的な現実主義を強調した。

「私たちは今、真に歴史的な一日を迎えています。両地域の人々が長く待ち望んできた日であり、世界で最も重要な二つの市場を結びつける可能性を持つものです。そして、対話、協力、友愛こそが唯一の道であることを示しています」(サンティアゴ・ペーニャ大統領)

また、ブラジルのルイス・イナーシオ・ルーラ・ダ・シウヴァ大統領(スケジュールの都合でアスンシオン訪問は叶わなかった)と、ウルズラ・フォン・デア・ライエン欧州委員長が交渉成功に果たした役割にも言及した。

「ルーラ大統領がいなければ、私たちは今日に至らなかったかもしれません。彼はこのプロセスの根幹を担った人物の一人です」(サンティアゴ・ペーニャ大統領)

一方、アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領は、この協定が新たな商機の開拓に向けた出発点であり、自由貿易を基盤とした地域統合の深化に向けた土台となると強調した。ミレイ大統領によると、マクロ経済の安定と法的予見可能性の確保は、繁栄と社会正義に不可欠な条件だという。

「しかしそのためには、協定の実施段階において、合意された精神が守られることが極めて重要です。もし、割当枠やセーフガード、その他これに類する制限的な仕組みが取り込まれるようなことがあれば、協定の経済的効果は大きく損なわれ、その本質的な目的に反することになります」と述べ、南米と欧州の署名国に対し、さらなる市場開放の取り組みにおいても前進を続けるよう促した。

ウルグアイのヤマンドゥ・オルシ大統領は、この協定を「戦略的パートナーシップ」と位置づけ、署名国の人々の生活を実質的に向上させる可能性を持つものだと評価した。

「数十年にわたり世界の政治と貿易を形づくってきた確信が揺らぎ、緊張が横たわる世界において、この協定は特別な重要性を帯びています。それは、世界最大の通商連携を構成するからだけでなく、変動と絶え間ない変化の時代にあって、ルールに基づく道を選ぶという明確な決断を示しているからです」(ヤマンドゥ・オルシ大統領)

さらに同氏は、ウルグアイにとって通商統合は「発展のための不可欠な条件」であり、麻薬取引やその他の国境を越える違法行為といった「国境を認識しない脅威」に立ち向かうための基盤にもなると強調した。

ブラジルを代表して出席したマウロ・ヴィエイラ外相は、メルコスールと欧州連合(EU)の通商協定は「民主主義世界の力を示す証拠であり、多国間主義の実践を示すものだ」とするルーラ大統領の見解を繰り返した。

「この協定は、実際に両地域の間にパートナーシップを築くものであり、私たちの社会にとって大きな経済的潜在力を持ち、各国に深い地政学的意義をもたらします。協定は、具体的な利益、より多くの雇用と投資、生産面での統合強化、質の高い財やサービスへのアクセス拡大、技術革新、そして社会的包摂を伴う経済成長をもたらすでしょう……予測不能性、保護主義、強制が渦巻く世界にあって」(マウロ・ヴィエイラ外相)

署名後、協定文書は欧州議会およびメルコスール加盟各国の国会に付託され、批准手続きに入る。協定の通商部分の発効には立法府の承認が必要で、今後数年をかけて段階的に実施される見通しだ。

(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)