ブラジルは依然としてトランスジェンダー、トラベスティの殺害数で世界最多

2026年 01月 26日

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写真はリオデジャネイロ、コパカバーナ海岸で行われたトランスフォビアが原因となった殺人への抗議行動(写真/Tomaz Silva/Agência Brasil)

ブラジルは2025年に80件の殺害が記録され、世界で最も多くのトランスジェンダーおよびトラベスティが殺害されている国という不名誉なタイトルを今年も維持した。これは、全国トラベスティ・トランスセクシュアル協会(Antra)が1月26日(月)に公表した最新の調査報告書によるものだ。

編集部注:「トラベスティ」はブラジルなどで用いられる当事者語で、女性的に生きる人々を指す文化的・政治的なアイデンティティー。クロスドレッサー、トランスヴェスタイト、トランジェンダーとは同一ではない。人種で特定されるアイデンティティではないが、アフリカ系や混血の人が多く、ブラジルの歴史的・社会構造の中で特有の意味を持つ)。ドン・クーリックは『Travesti: Sex, Gender, and Culture among Brazilian Transgendered Prostitutes』(1998)で、ブラジルのトラベスティが経験する差別と周縁化を、性別・階級・人種が交差する社会構造の産物と述べ、その構造が植民地期・奴隷制以降に形成された不平等の延長線上にあることを示唆している。

この数字は、前年に記録された122件から約34%の減少を示しているものの、同国がほぼ18年間にわたり占め続けている“世界最悪”の立場を変えるには至っていない。

Antraのブルーナ・ベネヴィデス代表は今回の結果について「トランスの人々への抑圧を“当たり前のもの”としてしまう社会システム全体の反映だ」と指摘する。

「これらは孤立した出来事ではありません。トランスの人々が幼い頃から極度の暴力にさらされ、社会的排除、人種差別、制度的な放置、そして絶え間ない心理的苦痛に貫かれて生きている現実を示しています」(ブルーナ・ベネヴィデス代表)

暴力の統計

Antraによる調査報告のデータは、日々の報道のモニタリング、トランス団体への直接の通報、公的記録を基に収集された。ベネヴィデス氏は、この状況を「暴力の明白な証拠だ」と指摘する。市民社会がこの監視を行わなければ、これらの死は国家にとって存在しないことになるからだ。

2025年は、セアラー州とミナスジェライス州がそれぞれ8件で最多となった。地域別では北東部が38件で最も多く、続いて南東部が17件、中西部が12件、北部が7件、南部が6件だった。

Antraが2017年から2025年の期間を集計した調査では、サンパウロ州が最も多く、155件の死亡を記録した。調査は、被害者の大半がトラベスティとトランスジェンダーで、主に若年層(18〜35歳)に集中しており、被害を受けているのは主に黒人および混血の人々であることを明らかにした。

報告書はまた、殺害件数は減少したものの、殺人未遂の件数は増加していると指摘している。これは、2024年比で34%の減少が見られる一方で、暴力が実際に後退しているとは言えないことを意味する。

Antraはこの状況を、報告の過少、治安・司法機関への不信、メディア報道の縮小、そしてトランスフォビアに対処するための具体的な公的政策の欠如といった複合的要因によって説明している。トランスフォビアとは、トランスジェンダーの人々に向けられる偏見、差別、敵意に基づく犯罪を指す。

公共政策

検証に加えて、本調査報告では、行政機関、司法制度、治安機関、人権機関に向けた複数の勧告を提示している。これらは、ブラジルにおけるトランスの人々の現実を特徴づける「免責(無罰)と資源不足」の論理を断ち切るための対話と具体的提案を求めるものだ。

調査報告書の共著者でもあるブルーナ・ベネヴィデス氏は、Antraの報告書は「国家を追及する(国家の責任を問う)」、「社会に情報を提供する」、「沈黙を阻止する」と考えている。

「女性保護のための政策は、例えばトランスジェンダーにも利用可能でアクセス可能であるべきだと認める必要があります。既存の施策を利用しやすくすること、まだ十分に実施されていない施策を実行に移すことを考えるべきです。データは豊富にありますが、意思決定者による行動が欠けているのです」(ブルーナ・ベネヴィデス氏)

第9版『ドッシエ:ブラジルにおけるトラベスティとトランスジェンダーに対する殺害と暴力』は、人権省の講堂での式典で発表され、連邦政府代表者への公式提出が行われる予定である。

暴力による死亡

Antraが今週月曜日に公表したデータは、先月18日にバイーア州のバイーア・ゲイ・グループ(GGB)が毎年更新している「ブラジルにおけるLGBT+暴力死オブザーバトリー」で示された状況を裏付けるものでもある。

トランス人口に加え、ゲイ、レズビアン、バイセクシュアルなどを含むデータでは、2025年に記録された暴力による死亡は合計257件で、その内訳は殺人204件、自殺20件、強盗致死17件、その他(轢死や溺死など)16件である。

2024年の291件と比べると11.7%の減少だが、それでもブラジルでは平均して34時間に1件の死亡が発生している計算になる。

GGBによると、昨年もブラジルは世界で最も多くのLGBT+に対する殺人および自殺が報告された国であり、次いでメキシコが40件、アメリカ合衆国が10件だった。

(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)