リオのカーニバルにも技術革新の波。3Dプリンターで装飾を制作
2026年 02月 6日

リオのグルーポ・エスペシアウ(1部リーグ)に所属するサンバ団体の作業場が集まる「サンバ・シティ」に、ベイジャ=フロール・ニローポリスが新たな技術革新を持ち込んだ。
バイシャーダ・フルミネンシ地域を拠点とする、青と白がチームカラーとなっているこの名門団体は、ブラジル最大級の3Dプリンターを導入して、一定規模のもとでアレゴリアや衣装の部材を制作している。これらは、同団体が2026年のカーニバルで披露する行進のテーマ「Bembé」に合わせた装飾の10%を占める予定だ。
団体側は、今後のカーニバルに向けて段階的に制作量を増やしていく方針だ。コスト削減に加え、このプロジェクトにより部材の制作スピードが向上し、環境負荷の低減にもつながるという。
この取り組みは、同団体のアウミール・ヘイス代表が資金を拠出し、作業場内に設置された「インダストリー4.0」ラボで実施されている。ラボの構想と開発を担ったのは機械技師ルイス・ロリで、デジタル製造の全体構造を設計した人物でもある。
2025年のリオのカーニバル王者ベイジャ=フロール・ニローポリスによると、ブラジル国内でも最大級の稼働規模を誇る大型3Dプリンターをカーニバルで使用するのは、これまで前例がないという。
現場では、デジタルデータをもとに、工業レベルの精度と技術管理、そして再現性を備えた舞台装飾、装飾品、衣装パーツが制作されている。これらは、工業製造の特徴をそのまま備えた仕上がりになっている。
使用されている技術はFDM方式で、プラスチック製のフィラメントを溶かし、層を重ねていくことで最終的な造形物を作り上げる手法だ。同じ技術は、自動車産業、試作開発、建築、医療などの分野でも用いられている。
「より先進的な領域では、この原理が有機物を使った造形にまで広がっています。概念は同じで、変わるのは材料だけです」
ベイジャ=フロールのラボでは、ABS樹脂を使用している。ABSは耐久性があり、軽量で、リサイクル可能なプラスチックだ。団体によると、細部の再現性はこの製造方式における最も重要な技術的利点の一つだという。
「機械はコンマ数ミリ単位の精度で作動し、テクスチャーや立体感、パターンを、元のデザインに極めて忠実な形で再現することができます」
もう一つの利点は制作スピードだ。高さ約1.10メートルの部材であれば、およそ24時間で仕上げることができる。これは、従来の彫刻や手作業による仕上げに比べて大幅に短い時間だ。
アウミール代表は、このプロジェクトはカーニバルの未来を示すものであり、コストと効率の両面で直接的な成果をもたらすと強調する。
「樹脂や塗料、発泡スチロール、紙、乾燥紙など、さまざまな仕上げ材料にかかる費用を抑えられます」と述べ、これらの作業に従事していた職人たちが「より人の手による技術が求められる(高度な)装飾品やアートワークなどの工程に専念することができる」と付け加えた。
ベイジャ=フロールの彫刻チームを率いるアーティスト、ケネジー・プラッタは、この技術が職人たちの強力な味方になると語る。
「機械は正確に、しかも大量に彫刻を再現してくれます。そのおかげで、アーティストはより大きく、より独自性が高く、より芸術性の強い作品に専念できるようになるのです」(ケネジー・プラッタ)
団体は、この技術にはさらに別の利点があると指摘する。3Dプリンターによる積層のプロセス(プラスチックを薄い層として積み上げる造形プロセス)は材料の無駄を最小限に抑えることができ、環境面での前進を意味するという。
カーニバル終了後には、ABSで印刷された部材を作業場に戻し、粉砕して再びフィラメントへと加工し直すことが可能だ。この工程によって、部材は“循環型経済システム”の中で新たな彫刻の原料へと生まれ変わることが可能となる。
カーニバル演出家のジョアン・ヴィトール・アラウージョによると、この技術はパレードの品質に直接影響を与えるという。部材が軽量化されるだけでなく、手作業だけでは到達が難しい精度の高い仕上がりが実現するためだ。さらにジョアン・ヴィトールは、デジタルで設計した造形が、歪みやズレなく設計通りの姿でサンボードロモ(パレード会場)に登場できる点を強調した。
(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)




