イランでの衝突が「空の空白」を生み、世界の航空網に混乱
2026年 03月 4日

米国とイスラエルによるイランへの攻撃以降、衝突が激化し、中東全域に連鎖的な影響が広がるなか、世界の航空網に混乱が起こっている。「G1」、「エスタダォン」、「ヴェージャ」、「フォーリャ・ジ・サンパウロ」、「CNNブラジル」、「エザミ」、「R7」などブラジル国内メディアも大きく報じている。
中東地域には、ドバイ国際空港、ハマド国際空港、ザイード国際空港といった世界有数の巨大ハブ空港が集中しており、エミレーツ航空、カタール航空、エティハド航空など、ブラジル~アジア間のみならず、東西を結ぶ多数の路線が運行されている。
「ヴェージャ」は3月1日(日)、イスラエル、カタール、シリア、イラン、イラク、クウェート、バーレーンが空域を閉鎖したことで、数十万人規模の旅行者が足止めされるか、別の空港へ迂回を余儀なくされたと伝えている。
エミレーツ航空、カタール航空、エティハド航空の3大キャリアは、これらのハブ空港を通じて1日平均9万人の乗客を運んでおり、中東行きの旅客数はさらに多いと、英国の航空データ会社シリウム(Cirium)は指摘している。ドバイ国際空港は国際線旅客数で世界最多の空港だという。
フライト追跡サイト FlightRadar24 は1日(日)には、中東の主要7空港で3,400便以上が欠航したと発表した。シリウムの集計では、土曜に地域各国へ到着予定だった約4,218便のうち、966便(23%)がキャンセルされた。出発便も含めると、欠航数は1,800便を超える。
ブラジルと中東を結ぶ航空便は3月2日(月)も運休しており、欧州・アジア方面への接続便にも影響が広がっている。
「フォーリャ・ジ・サンパウロ」によると、世界有数のハブ空港であるドバイとドーハは3日連続で事実上の機能停止状態となった。これにより航空各社は便の運休や迂回を余儀なくされ、数千人の乗客が各地で足止めされている。
サンパウロのグアルーリョス国際空港では、到着6便・出発6便の計12便がキャンセルされた。内訳はカタール航空が5便、エミレーツ航空が1便。週末にも同数の12便が運休となっている。
土曜(28日)には、グアルーリョスを出発したエミレーツ航空のドバイ行きと、カタール航空のドーハ行きがいずれも離陸後に引き返し、同空港へ戻る事態となった。
「CNN Travel」は、中東地域の空域閉鎖状態を“空の空白”と表現し、航空各社が迂回を余儀なくされる場合、飛行時間が延び、燃料消費が増え、乗務員や機材の運用にも連鎖的な混乱が生じ、コストの上昇につながるだけでなく、中東情勢に敏感に反応する原油価格も、航空会社にとって新たな不確定要素となると指摘している。
同メディアは、短期的に航空券価格が急騰する可能性は低いとしつつも、イラン情勢が「国際的に長期化する事態」となった場合、航空会社は増加した運航コストや縮小した供給力を航空券価格に反映させざるを得なくなるという専門家のコメントを紹介している。
(文/麻生雅人)




