ルーラ大統領、CELAC首脳会議で強権国による武力行使と他国侵攻を批判

2026年 03月 22日

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ボゴタ(コロンビア)、2026年3月21日 。アゴラ会議センターで開催された CELAC–アフリカ首脳会議に出席するルイス・イナーシオ・ルーラ・ダ・シウヴァ大統領(写真/Ricardo Stuckert/PR)

コロンビア・ボゴタで3月21日、ラテンアメリカ・カリブ諸国共同体(CELAC)第10回首脳会議および第1回CELAC–アフリカフォーラムが開催された。ルイス・イナーシオ・ルーラ・ダ・シウヴァ・ブラジル連邦共和国大統領は演説で、中南米およびカリブ地域の主権に対する圧力が強まっていると指摘し、米国による植民地主義的な姿勢の復活を厳しく批判した。

ルーラ大統領は「他国を自分の所有物のように扱えると考えることは、許されることではありません。いまキューバに対して何が行われているのか。ベネズエラに対して何が行われたのか。これが民主主義と言えるのでしょうか」と述べた。

さらに、国連憲章のどの条文にも、ある国の大統領が他国に侵攻できると記されていないと強調し、「世界のどの文書にそんなことが書いてあるのでしょう。聖書にもありません。そんな行為を正当化する根拠は存在しないのです。力と権力を用いて、再び我々を植民地化しようとしているのです」と批判を続けた。

ルーラ大統領は、米国が電気自動車用バッテリーに不可欠なリチウムなどの「重要鉱物」の販売を巡ってボリビアに圧力をかけている事例を挙げ、資源をめぐる介入の構図を示した。

また、ラテンアメリカ、カリブ、アフリカ諸国が歴史的に植民地支配の下で金、銀、ダイヤモンドなどの資源を略奪されてきた過去に言及し、「この場にいる国々は皆、自国がかつて金も銀もダイヤモンドも、あらゆる鉱物資源を奪われてきた経験を持っています」と述べた。

そのうえで、「ボリビアは歴史を通じて、あらゆる資源を外部勢力に奪われてきました。しかし近年、その戦略的価値が高まる重要鉱物をボリビアが豊富に抱えていることは、ボリビアのみならず、同様に資源を持つアフリカやラテンアメリカ諸国にとっても、“資源を供給するだけの立場”から脱却する好機です」と強調した。

大統領はさらに、これらの重要鉱物はアフリカ諸国や中南米諸国の技術発展を促進し、「代替燃料の生産で質的飛躍を遂げる」ために活用されるべきだと述べた。

「望む企業は国内に進出し、生産すればよいのです。それによって我々自身が国を発展させる機会を得られます。ラテンアメリカやアフリカの国々は、かつて植民地支配を受け、独立のために闘い、民主主義を勝ち取り、そして民主主義を失った時期もありました。そして今、強国が再び我々を支配しようとしているのです」と訴えた。

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ボゴタ(コロンビア)、2026年3月21日 。アゴラ会議センターで開催された CELAC–アフリカ首脳会議(写真/Ricardo Stuckert/PR)

また、こうした事態が他国で繰り返されないよう、大きな声で反対を示す必要があると述べ、最近のガザでの出来事を例に挙げた。

ルーラ大統領は、世界各地で紛争が拡大する中、国連安全保障理事会が機能不全に陥っていると改めて批判した。米国とイスラエルによるイランへの攻撃、ガザ地区での虐殺、リビアの紛争、イラクやウクライナでの戦争を列挙しながら指摘した。

「いま世界で起きているのは、国連が完全に、そして絶対的に機能していないという現実です。国連安全保障理事会とその常任理事国は平和維持のために設けられたはずです。ところが、戦争をしているのは彼ら自身です」と述べた。

さらに、強大な国々が脆弱な国々を支配できると考えることを許してはならないとし、「国連はいつ、非常会合を招集して安全保障理事会の役割を決めるのか。なぜ刷新しないのか。なぜより多くの国々を安保理の代表として加えないのか」と問いかけた。

ルーラ大統領はまた、飢餓対策に充てられる資金と対照的に、軍備への投資が増大している現状を批判した。

「忘れてはならないのは、昨年、世界は2兆7千億ドルを武器と戦争に費やした一方で、いまだに6億3千万人が飢餓に苦しんでいるという事実です。電力へのアクセスがない人々が何百万と存在し、教育にアクセスできない人々も数百万に上るのです。そして、同胞同士が命を奪い合う戦争の結果として、文書も住まいも、祖国すら持たずに放置される女性や子どもが何百万といるのです」と述べ、深い懸念を示した。

CELAC首脳会議にはルーラ大統領のほか、コロンビアのグスタボ・ペトロ大統領、ウルグアイのヤマンドゥ・オルシ大統領、セントビンセントおよびグレナディーン諸島のラルフ・ゴンサルベス首相が参加し、20人の外相も出席した。

アフリカ諸国と中南米・カリブ諸国の協力について言及したルーラ大統領は、多国間主義が協力、投資、貿易の機会をもたらすと述べた。

「我々はいまだに、植民地主義やアパルトヘイトが世界の多くの地域で支配的だった時代に確立された不平等な国際秩序の犠牲になっているのです。ラテンアメリカとアフリカが国連安全保障理事会で適切な代表権を持たないのは道理に合いません」と指摘し、「南大西洋を外部の地政学的争いから守らなければなりません」と強調した。

アフリカ連合55カ国とCELAC加盟33カ国を合わせると、人口は約22億人に達する。ルーラ大統領は、飢餓対策、気候変動への対応、環境保全、エネルギー転換、人工知能などの分野で各国が取り組みを強化すべきだと述べ、これこそが勝利すべき「戦い」であると語った。

「アフリカやラテンアメリカで飢餓を終わらせ、非識字をなくし、電力のない生活を終わらせるために、これこそが我々が取り組むべき戦いなのです」と述べた。

(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)