ワールドカップ入場券不正販売事件でFIFA関係者1名を逮捕

2014年 07月 10日

FIFAワールドカップ不正チケット販売

リオ市警が(7月)7日、W杯入場券や旅行パックを扱うマッチ社の最高経営責任者(CEO)で英国人のライムンド・ウェーレン氏を、入場券横流しなどの容疑で逮捕したと8日付伯字紙が報じた。

マッチ社は国際サッカー連盟(FIFA)が入場券の扱いを公認した唯一の企業で、共同経営者の一人はブレッター会長の甥のフィリッピ・ブレッター氏だ。

ライムンド容疑者はFIFA幹部らが宿泊しているコパカバーナ・パレス・ホテルで逮捕され、準決勝と決勝82枚を含む100枚以上の入場券とノートブック、現金2千ドル、携帯電話が押収された。

同容疑者逮捕は、(7月)1日に逮捕されたフランス系アルジェリア人のモハマドウ・ラミネ・フォファナ容疑者が今大会中に900回も通話やメッセージ交換を行った事が判明した事と、フォファナ容疑者所有のアトランタ・スポルチフ社弁護士で1日に逮捕されたジョゼ・マッシ容疑者からライムンド容疑者が券提供との供述を得た事による。

フォファナ容疑者らのダフ屋行為(不当価格による入場券などの販売)判明は、約3カ月前、私服警官にブラジル選手権の券が50枚ほど欲しいと持ちかけられたダフ屋の一人が、1日に逮捕された11人中のNo.3のアントニオ・エンリケ容疑者を紹介したのが発端だ。警察は盗聴などで一味の動向を捉え、フォファナ容疑者まで行き着いたが、捜査を進める内に同容疑者らがW杯4大会で不正を働いていた事が判明、FIFAやマッチ社に関係者がいる可能性が浮き上がってきた。

フォファナ容疑者逮捕時に押収された入場券には、アルゼンチン・サッカー連盟会長でFIFA副会長の息子のウンベルト・マリオ・グロンドナ氏のものも含まれていたが、同氏は母国の友人に売ったもので一味の手に渡った経緯は不明と弁明している。

(記事提供/ニッケイ新聞、写真/Marcello Casal Jr./ABr)