エボラ出血熱対策、サンパウロの国際空港では主要流行国からの旅行者に体温測定義務付ける

2014年 11月 3日

サンパウロ グアルーリョス国際空港

伯国(ブラジル)は10月31日に、伯国到着21日前までにリベリア、ギニア、シエラ・レオネに滞在していた旅行者の体温を測る措置を取り始めた。

エボラ出血熱の主要流行国であるこの3カ国から来た旅行者は、エボラ出血熱の症状についての情報を受け、発症した際は治療機関に行くように指導される。

今回の措置10月31日午前5時に、聖州のグアルーリョス国際空港で始まった。今年3カ国から伯国に入国した旅行者の78.4%は、同空港を利用している。ただしグアルーリョス空港には1日4万人が着くが、今年伯国に入国した前記3カ国からの旅行者は529人を数えるのみだ。

入国管理の場所には、3カ国からの旅行者または3カ国に滞在経験のある旅行者はパスポートのチェックを受ける際、入国管理官にその旨を申し出るよう告知するポスターが用意される。入国管理官への指導がなされていることは言うまでもない。

旅行者は体温の測定と共に問診を受け、公共医療機関では無料で治療を受けられることと、潜伏期間は21日であることについての情報をまとめた冊子を受け取る。3カ国からの旅行者がパスポートの返却を受けるのは、この手続きを終えて入国が許可されてからだ。

保健省は今回の措置は旅行の自由を制限するものではなく、伯国の空港への到着の際のチェックの強化と情報を広めることが目的であるとしている。措置は11月の末までに、3カ国からの旅行者を受け入れているリオのガレオン、カンピーナスのヴィラコッポス、ブラジリア、フォルタレーザ、サルバドールの各空港にも拡大される予定だ。

アルトゥール・シオロ(キオーロ)保健(厚生)大臣は、エボラ出血熱感染者が伯国に到着する可能性は非常に低いとした上で、「私達は感染国から来て、エボラ出血熱の疑いのある症状がある人を適切な医療サービスを受けるよう指導すると共に、症状はなくとも潜伏期間中である可能性について説明する冊子を配ることで、必要な情報を提供する方策を練っているところだ」と言う。

現在の空港では、国際便の旅行者が発熱や吐き気などの症状を見せた時には、医療チームが派遣される。これらのケースでは飛行機は離れたところに停められ、感染の疑われる旅行者は病院へ隔離される。

現在、主要感染国から出国する旅行者は、出国前にエボラ出血熱の症状がないか、感染者と接触していないかなどの質問を受けた後に搭乗している(1日付フォーリャ紙より)。

(記事提供/ニッケイ新聞、写真/Paulo Pinto/Fotos Públicas)
2014年10月28日、サンパウロ、グアルーリョス国際空港。写真は第3ターミナル