GMブラジル工場で約5000人がストライキ
2015年 02月 27日「ウォールストリート·ジャーナル」によると、2月25日(木)、サンパウロ州サンジョゼ・ドス・カンポス市の金属労働組合に属するブラジルにあるゼネラルモーターズ(GM)工場の労働者5200人近くが生産を停止して、ストライキを行った。
このストライキは、4月までに労働時間をカットする休暇プランや約800人の職員雇用止めプランに対する抗議として行われたもの。
同工場ではシボレー・トレイルブレイザーが製造されている。
労働組合は、会社に対してストライキを行なう際は、事前に紙面で伝えることが法律上で義務付けられているとのこと。しかし今回のストライキでは事前通達がなかったとして、GM側は労働組合に対してクレームを提示、すぐに仕事に戻るように従業員を説得し続けているという。
調停の公聴会は、来週火曜日に地方労働裁判所で予定されている。
一方組合側は、GMが労働者側に最後通告を与えたものであり、この最後通告は、労働組合と会社が昨年の8月に合意に反するものだとしている。組合によると、GMと組合との間で、約800人の雇用を維持する努力を続け、実際に解雇するとしても今年の後半以降にするという合意がなされているという。
金属労働組合は2012年にも生産の削減に抗議する24時間のストライキを実施している。当時のGMには、約7500の従業員が働いていた。
ブラジルの自動車産業は、世界第5位の規模にあるが、現在は厳しい局面を迎えている。1月、フォルクスワーゲン社は10日間のストライキ後に、サンパウロ近くのアンシエッタ工場で13000人の労働者のうち800人の雇用を削減するプランを取り消した。
フォルクスワーゲンは、国は企業に重い税金を課した上に、二年間続けて非常に鈍い経済成長しか達成できなかったと主張、労働者に対するレイオフは正当化されると結論付けた。実際に、2013年の生産台数は15%も下落した。
ブラジル国内の自動車販売店協会Fenabraveは昨年の売上高は350万台マイナス、5年間では最悪の7.15パーセントの下落だと指摘している。
(文/加藤元庸、写真/Sindicato dos Metalúrgicos de S. José dos Campos)
2月25日、サンパウロ州サンジョゼー・ジ・カンポス市。同市金属労働組合によるストライキ