日清紡ホールディングスがブレーキ事業のブラジル現地拠点をサウト市郊外に移転。生産能力の拡充を目指す

2013年 11月 5日

ブレーキ日清紡

11月5日(火)、日清紡ホールディングスは、コア事業のひとつであるブレーキ事業で南米ビジネスを拡大するため、連結子会社である TMD Friction do Brazil S.A. (以下、TMD ブラジル)を新立地に移転することを発表した。

現在、拠点としているサンパウロ州インダイアトゥーバ市は、周辺の市街地化が進んでおり、工場増設に必要な敷地の余裕がないという。TMD ブラジルは同州のサウト市郊外に移転、増産体制を構築。操業環境を改善するとともに、品質と生産性をさらに向上させ収益力の強化を図るという。

同社は、2011年に世界有数の摩擦材メーカーTMD Friction Group S.A. (以下、TMD 社)を買収、自動車ブレーキ用摩擦材の世界シェアでナンバーワン・メーカーの地位を獲得しているという。

また、中国、アメリカ、日本に次ぐ世界第4位の自動車販売台数国であるブラジルは、今後の成長が見込まれる南米市場の中心。TM同社ブレーキ事業のグローバルリーダーシップを確固たるものにするための重要な拠点と位置づけられているという。

今回の投資額は 142 百万レアル(約 64 億円)で、2016 年末までに新工場を建設し、移転を完了させる予定。これにより、現在の売上を 2020年には倍増させる計画とのこと。

TMD ブラジル 会社概要
(1) 会社名 TMD Friction do Brazil S.A.
(2) 所在地 ブラジル連邦共和国 サンパウロ州 インダイアトゥーバ市
(3) 資本金 26,684千レアル
(4) 設立時期 1961年(2001年に TMD社が買収)
(5) 従業員数 600名(2013年8 月時点)
(6) 事業内容 乗用車・二輪車用ディスクパッド、乗用車・商用車用ブレーキライニング
等の製造・販売

(文・写真/麻生雅人)
写真はイメージです。TMD ブラジルのブレーキ技術の中にはCOBREQブランドなど、ブラジルのヤマハやホンダの2輪車に活用されているものもある