サンパウロでパーティ詐欺が急増

2018年 05月 6日

パーティ詐欺 ブラジル

ブラジル人は本当にパーティが好きだ。国中が熱中するカーニバルを見てもお祭り好きは明白だが、日常生活においても、常にパーティの口実を探しているといっても過言ではない。

妊娠中、出産時、毎年行う子供の誕生日会、15歳の社交界デビュー祝い、卒業祝い、結婚式など々、人生の節目とされる場面で、家族や友と喜びを分かち合うために行われるパーティもかなり多い。

当然関連産業もすそ野が広く、参入障壁も低い。それゆえに発生する問題もあるようだ。

グローボ系ニュースサイト「G1」が4月28日づけで伝えたところによると、サンパウロでパーティ関連詐欺、ぼったくり件数が急増しているという。

ブラジル消費者保護機関(PROCON)の調査結果によると、2017年、結婚式パーティ詐欺被害件数は前年の103件から143件と、38%増加したという。パーティ詐欺とは、パーティ当日、事前に締結した契約に基づく役務の提供が行われなかったケースをさす。

また、料金が不当に高い、いわゆるぼったくり被害報告件数は2016年の80件から2017年には106件に増加したとのことだ。

ブラジル社交イベント協会(Abrafesta)の会長、ヒカルド・ヂアス氏によると、パーティの各サービスを発注する場合には評判を確認し、他と比べて極端に安い場合は疑ってかかったほうが良いという。

「当協会にお問い合わせいただければお調べいたします。値段が安いのには常にわけがあります。安い料金で受注する企業は実際に受注した契約を履行できるだけのリソースがない場合が多いです。本当に履行が可能かどうかを知るためには、料金の内訳を細かく出させることです」(ヒカルド・ヂアス氏)

結婚式詐欺の被害に遭った、公務員のカイアーニ・ドゥアルチ・セレゼール氏は契約で作ってもらうことになっていた結婚式のアルバムを受け取るのに2年かかったという。特別な日の写真を受け取れないことに大きなフラストレーションを感じたとのことだ。

「結婚パーティ会場となるビュッフェレストランで、事前に写真撮影・アルバム作成の業者と契約をしました。結婚式の直前、私は写真撮影のスタッフが来ていないことに気づきました。なので当日、急きょ新しい業者と契約をすることになりました。写真の撮影自体はこの業者が行いましたが、アルバムを入手するまで2年も待たされました」(カイアーニ・ドゥアルチ・セレゼール氏)

PROCONによると、詐欺の被害を少なくするには、契約の前にまず評判を調べること、契約書をちゃんと読むこと、契約が実行可能なのか確認するため、相手に具体的に質問すること、料金を全額前払いしないことだという。

パーティ前の華やかな気分のなかでも、人生の大切な節目を台無しにされないための自衛手段は身に着けておくよう、ご用心を。

(文/原田 侑、写真/Divulgação)
ブラジル社交イベント協会(Abrafesta)によるとブラジルにおける結婚式関連市場は年間168億レアルが動くという