ブラジルではアルコール摂取により1時間あたり約12人が死亡

2025年 02月 20日

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ブラジルのビールの有名ブランド広告(写真/Gervásio Baptista/ABr)

2月18日は、ブラジル全国アルコール依存症撲滅デーだった。半世紀以上前に、この中毒症が、世界保健機関(WHO)によって病気とみなされるようになったことにちなんだ日となっている。

短期的には、アルコールは協調性、判断能力、感情のコントロールに影響を及ぼす。しかし、神経学者のエミリー・ピリスが説明するように、それは不可逆的な害を長期的に引き起こす可能性もある。

「さらに、過剰に摂取するとドーパミンが放出され、最初は満足感を覚えますが、これが結局は消費行動を強化し、依存症につながります。さらに高い頻度でに摂取すると、組織や機能にまで変調が起きます。そのため、記憶力や意思決定能力が低下し、不安感やうつ病などの障害のリスクも高まります」(エミリー・ピリス氏)

ブラジルでは、アルコール摂取が原因で、1時間あたり約12人が死亡している(※オズヴァウド・クルース財団(Fiocruz)がレポート「ブラジルにおけるアルコール消費に起因する直接的および間接的なコストの推定」にて発表)。心臓血管疾患、事故、暴力が、その主な要因となっている。同財団の推定によると、この問題は年間180億レアルを出費している。

「モチベーションと訓育を強化することは、患者が回復に向かう取り組みを後押しします。この相互関係は神経症に非常に効果を挙げています。そしてもちろん、患者が取り組む身体活動やその他の活動も、医師や心理学者のサポートのもとで行われます。それは再生プログラムでこそ可能なのです。アルコール依存症患者の回復のための力になります」(エミリー・ピリス氏)

アルコール依存症は社会問題であり健康上の問題でもある。したがって、これは複雑な問題を抱えており、真剣に取り組む必要がある。

(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)