ブラジル貿易投資促進庁長官、代替輸出市場調査について語る
2025年 08月 16日
ブラジル貿易投資促進庁(ApexBrasil)のジョルジ・ヴィアナ総裁は、(アメリカ合衆国によるトランプ関税爆弾に対処する)戦略のひとつとして、ブラジル産品の新たな輸出先となる国々を見つける方針を示し、すでに新市場のマッピングを終えているとTVブラジル局に語った。
「コーヒーから靴に至るまで、われわれが売り込むことが可能な市場は存在します。すでに108以上の市場を調査済みで、72か国において複数の分野で新たな市場が見込まれています」と語った。
ヴィアナ総裁によれば、これらの新たにマッピングされた市場は、関税爆弾の影響で米国の輸入が減少しているブラジル産品を受け入れる上で「非常に意義がある」という。
「影響を受けた各分野において、見本市やイベントへの参加、そしてバイヤーをブラジルに招く取り組みを通じて、米国向け輸出のうち180億ドル分に相当する製品の一部について、新たな買い手を見つけることができると考えています」と述べた。
APEX総裁は、ブラジルは、米国との困難な状況に対処する準備は整っており、この対立の中で新たな機会を見出すべきだと述べた。ヴィアナ総裁によると、貿易戦争ではすべての当事者が損失を被るが、「時には、戦争を仕掛けた側のほうがより多くを失うこともある」という。
「ブラジルは、この危機に立ち向かう準備が整っています。貿易戦争…私はアメリカ合衆国が仕掛けているものと考えています…では、誰もが損をします。しかし、時には戦争を仕掛けた側のほうがより大きな損失を被ることもあるのです。ブラジルにはBRICSがあり、インド、中国、ロシアとの関係も非常に良好です。私たちはすべての国と友好関係を築いています。アメリカ合衆国も例外ではありません」
「誰もが損をする状況ではありますが、機会を最も上手く活かした者が、より良い形でこの危機を脱することができるのです」
ブラジル貿易投資促進庁(ApexBrasil)のデータによると、今年(2025年)1月から3月の間にブラジルは総額773億米ドル相当を輸出した。これは、2024年の同時期の777億米ドルと比べ、わずかに減少している。なお、貿易収支は100億米ドルの黒字で締めくくられた。
主な輸出品目は、原油、大豆、鉄鉱石、未焙煎コーヒーであり、特に工業製品の輸出が好調で、電気機器や機械類などの項目で増加が見られた。
輸出先としては、第一四半期において中国(198億米ドル)、欧州連合(111億米ドル)、米国(97億米ドル)、メルコスール(58億米ドル)が主要な相手国となっており、なかでもアルゼンチン向けの輸出は前年同期比で51%の増加を記録した。
(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)