ニューヨークタイムズ、「米国旗は『ブラジル右派の新たな象徴』」と投稿
2025年 09月 10日

米国の『ニューヨーク・タイムズ』は、9月9日(火)にSNS上で投稿を行い、米国旗が「ブラジル右派の新たな象徴となった」と訴えた。
「ブラジル右派の新たな象徴:米国旗」というタイトルのもと、同紙は、右派運動や宗教団体によって9月7日(日)、ブラジル独立記念日に(ブラジル、サンパウロ市で)行われた集会において、米国旗が「トランプ米大統領への敬意」と「ジャイール・ボウソナーロ前大統領の有罪判決への抗議」として掲げられたと報じている。
「ブラジルの独立記念日は、同国の右派ナショナリスト運動が街頭に繰り出し、左派への抗議とブラジル国旗の掲揚を行う場となった。今年は、米国旗がトランプ大統領への敬意として掲げられ、米国旗の世界的なイメージの変化を示す象徴となった」と同紙の投稿は述べている。
「米国旗は、ジャイール・ボウソナーロ前大統領が今週、クーデター計画の容疑で有罪判決を受ける見通しであることに抗議する右派のデモ参加者へのメッセージでもあった。彼の支持者たちは、星条旗を熱心に掲げた」と記事は続けている。
サンパウロで行われた集会では、(前大統領を支持する)州知事やその支持者たちが、ジャイール・ボウソナーロ前大統領への恩赦や、連邦最高裁判所(STF)のアレシャンドリ・ジ・モラエス判事の弾劾といった主張を掲げる演説を行った。
この集会の中で、参加者たちは巨大な米国旗を広げて振りかざした。
ニューヨーク・タイムズの投稿では、一方で、同じ日曜日に、独立記念日のパレードでルイス・イナーシオ・ルーラ・ダ・シウヴァ大統領が「大きなブラジル国旗とともに写っている写真」に登場したことが強調されており、その旗には「我々の旗は、ブラジルであり、ブラジル国民である」と記されていた。
ボウソナーロ氏の裁判
同紙の投稿は、ブラジルの連邦最高裁判所(STF)の第一小法廷が9月2日に開始した裁判を同日に再開したタイミングで発信された。この裁判では、2022年の選挙結果を覆そうとしたとされるクーデター計画に関与したとして、ボウソナーロ前大統領とその側近7名が有罪判決を受ける可能性がある。
この刑事訴訟の報告官であるアレシャンドリ・ジ・モラエス判事は、ジャイール・ボウソナーロ氏および他の被告人の有罪を支持する票を投じた。判事によると、特に2023年1月8日にボウソナーロ氏の支持者が三権(行政府・立法府・司法府)の庁舎を襲撃・破壊した事件を踏まえると、「国家転覆の試みが存在したことに疑いの余地はない」としている。
もしこの裁判の最終判決で有罪となれば、ボウソナーロ氏はブラジル史上初めて「国家転覆罪」で有罪判決を受ける元大統領となる。
(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)




