サンパウロ大停電、飲食・宿泊業に深刻な損失
2025年 12月 15日

サンパウロ州ホテル・レストラン・バー連盟(Fhoresp)の推計によると、サンパウロで発生した大停電により、飲食・宿泊業界の損失は最大で1億レアルに達する見込みだ。
同連盟は、サンパウロ市、および大都市圏の各自治体、さらに州内の一部地域で、豪雨と暴風による停電の影響を受けた店舗が5,000に上ると試算した。設備や食材の損失、顧客離れなどが被害に含まれる。Fhorespは州内約50万の事業者と20以上の業界団体を代表している。
危機のピークとなった10日(水)、サンパウロでは約220万世帯が停電。最大風速は時速98キロに達し、300本以上の樹木が倒れた。多くが送電線に直撃し、電柱やケーブルを破壊した。
事態の深刻さを受け、13日(土)にはサンパウロ州司法当局が電力供給会社エネウに対し、市内および近隣自治体で12時間以内に送電を再開するよう命令を発した。違反すれば1時間ごとに20万レアルの罰金を科すと警告した。
「エネウ(サンパウロ州の電力供給事業者)の問題は今に始まったことではない。過去2年足らずで既に7度目の大停電だ。外食産業や宿泊業は人質にされているようなものだ」と、サンパウロ州ホテル・レストラン・バー連盟(Fhoresp)のエジソン・ピント事務局長は嘆いた。
同氏は、停電時に発電機を用意したり、食材を迅速に移動させて損失を防げる事業者はごくわずかだと指摘。12月は飲食・宿泊業界にとって最も繁忙期のひとつであり、各社が需要増に備えて準備を進めていたが、数千の店舗は停電の間、営業停止を余儀なくされたと強調した。
Fhorespは被害を受けた事業者に対し、営業停止による売上損失、食材の廃棄、電圧変動による機器の故障などについて、可能な限り証拠を集め、損害賠償請求の訴訟を起こすよう呼びかけている。
さらに14日(日)、ブラジル鉱山・エネルギー省は声明を発表。エネウ社が契約上の義務や品質基準を完全に履行しない場合、サンパウロ州での事業免許を失う可能性があると警告した。
(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)




