米国の爆撃でベネズエラの数学研究所が全壊

2026年 01月 8日

photo_2026-01-04_16-47-52-1920x720
アメリカ合衆国による爆撃で破壊されたベネズエラ科学研究所(IVIC)の数学センターの建物(写真/Governo da Venezuela/Divulgaçã)

米国によるベネズエラへの空爆により、カラカス近郊のミランダ州にあるベネズエラ科学研究所(IVIC)の数学センターの建物が破壊された。

同国の国立科学機関に所属する数学棟は完全に崩壊し、物理、化学、生態学、原子力技術の各センターも部分的な損傷を受けたと、同研究所が1月7日(水)に発表した。今回の攻撃による負傷者は確認されていない。

「知識、科学、技術は、国家を破壊する戦争の道具として用いられてはなりません。民間人を攻撃し、戦争を引き起こし、民間および軍事施設、さらには科学研究センターを標的とし、人々の平和を乱す行為は、いずれもテロ行為であり、人道に対する罪にほかなりません」と、科学知識応用副大臣でもある IVIC のアルベルト・キンテロ所長は述べた。

破壊された建物の映像を収めた動画が公開された。研究所による調査では、施設は幅4メートルを超える高精度誘導弾 AGM‑154 C‑1 によって攻撃されたことが判明した。

「本研究所が開始した調査で回収された弾体の破片の記録から、研究センターを直撃したミサイルが AGM‑154 C‑1 型 であることが確認されました」と声明は述べている。

同研究所は、破壊された施設を再建する方針を示した。

「これらの区域には、当研究所のコンピューターネットワークに不可欠なサーバーや機器が置かれていましたが、完全に破壊されました。科学の聖域を攻撃することに、いかなる正当性もありません。ここは、国と世界に歴史的な成果を提供してきた場所なのです」(アルベルト・キンテロ所長)

アメリカ合衆国は先週土曜日(3日)、ベネズエラの4都市を空爆し、麻薬取引への関与を理由としてニコラス・マドゥーロ大統領を拘束した。

これまでに、米国によるベネズエラ侵攻で58人の死亡が確認 されている。この軍事行動については、国連をはじめ複数の国々が国際法違反であり、ラテンアメリカおよび世界にとって危険な前例となると強く批判している。

マドゥーロ氏は麻薬取引の疑惑を否定し、今回の行動は、米国によるベネズエラの天然資源、特に石油の支配を目的としたものだと主張している。ベネズエラは世界最大規模の確認埋蔵量を持つ産油国である。

マドゥーロ氏の拘束後、ドナルド・トランプ大統領はデルシー・ロドリゲス暫定大統領に対し、米国に対する全面的なアクセスを認めるよう圧力をかけており、政治移行が行われるまで「ベネズエラを統治する」と述べた。これに対し、ロドリゲス暫定大統領は、ベネズエラは独立を維持すると強調した。

(記事提供/Agência Brasil、構成/麻生雅人)